Obsidianを無料で同期する【2026年8月版】OS別の対応と、繋ぐ前にやるべきこと

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Obsidianを2台目の端末で開こうとして、最初にぶつかるのが同期だ。アプリは無料で使えるのに、公式の同期サービスは有料なので、「無料でどうにかならないか」と検索することになる。
無料でやる方法は複数ある。ただし調べて出てくる記事の多くが「繋ぎ方」で終わっていて、自分のOSの組み合わせで本当に使えるのかと繋いだ後に何が起きるかを書いていない。実際に困るのはそっちだ。
この記事は、Obsidian公式が示しているOS別の対応を先に確認して、次に初回同期でノートを失わない手順、最後に運用してから出てくる問題を扱う。料金や対応の記述は2026年8月に公式ページで確認したものだ。
結論 まず自分のOSの組み合わせを表で確認する。iCloud DriveをWindowsで使うのは公式が警告しているので避ける。AndroidとiPhoneが混ざるならRemotely Save。そして方法を問わず、繋ぐ前にVaultを別の場所へコピーしておく。事故がいちばん起きるのは運用中ではなく初回接続だ。
前提:Vaultはただのフォルダ
ObsidianのVault(保管庫)=ノートと添付ファイルと設定をまとめた、ふつうのフォルダだ。ノートの実体は.mdという拡張子のMarkdownファイルで、独自のデータベースには入っていない。
だから同期の仕組みは単純で、このフォルダを複数の端末で同じ状態に保てば、それが同期になる。専用のサービスが必須なわけではない。ここが、クラウド上にデータを持つNotionのようなツールとの違いだ(比較はNotionとObsidianの違いにまとめている)。
⚠️ ただしVaultの中身は.mdと添付だけではない。.obsidian という隠しフォルダに設定とプラグインが入っているほか、Canvasなどの独自形式のファイルも置かれる。同期の対象を「.mdと画像だけ」に絞ると、これらが漏れるので注意してほしい。
まずOSの組み合わせを確認する
ここが最初の分岐点だ。方法の良し悪しより、自分の端末で公式に対応しているかが先に決まる。 以下はObsidian公式の同期ガイドに書かれている推奨OSと注意書きをまとめたものだ。
| 方法 | 公式が挙げる推奨OS | 注意 |
|---|---|---|
| iCloud Drive | macOS / iOS / iPadOS | ⚠️ Windowsでの利用はファイルの重複や破損につながる可能性があると明記されている |
| OneDrive | Windows / macOS | Androidは機能が限られる。iOSは公式対応として挙げられていない |
| Google Drive | Windows / macOS / Android | iOSは機能が限られる |
| Syncthing | Windows / macOS / Linux | ⚠️ 公式Androidアプリはメンテナンス終了。公式ガイドはコミュニティ版の Syncthing-Fork を案内している。iOSに公式クライアントはない |
| Git | Windows / macOS / Linux | モバイルは対象外(iOSはWorking Copyなどの別アプリが必要) |
| Remotely Save(プラグイン) | Obsidianの中で動くのでモバイルも対象 | 無料で使えるバックエンドに制限がある(後述) |
⚠️ 公式は「同じVaultを複数のサービスで同期しない」ことも明記している(データの競合や破損を防ぐため)。iCloudに置いたVaultにさらにRemotely Saveをかける、といった重ねがけはしないこと。
Windows+iPhoneのように、公式の推奨が噛み合わない組み合わせがいちばん厄介だ。この場合はRemotely Saveか、素直に公式Syncを検討することになる。
4つの方法と、「無料」の範囲
「無料の方法」と一括りにされがちだが、どこまでが無料かは方法ごとに違う。ここを曖昧にしたまま始めると、後から課金が必要だと分かって作業をやり直すことになる。
クラウドストレージにVaultを置く
Vaultをクラウド同期フォルダの中に置くだけ。設定がいちばん少ないのが利点で、対応OSさえ合っていれば最短だ。
無料の範囲は各サービスの無料容量まで。サービスごとに数GB程度で差があるので、契約前に確認してほしい。ノート自体はテキストなので軽いが、画像やPDFの添付が容量を食う。
⚠️ ここがこの方法いちばんの落とし穴だ。 OneDriveやiCloudには「使っていないファイルの実体をクラウドに退避する」機能がある(macOSの「Macストレージを最適化」、Windowsの「オンデマンド」など)。Vaultがこの対象になると、ファイルは一覧に見えているのに中身が無い状態になり、検索・リンク・グラフが静かに壊れる。プラグイン本体まで退避されると起動でつまずくこともある。
Vaultを置くフォルダは必ず「常にこのデバイスに保持」(Keep Downloaded)に設定するか、その端末で最適化機能を切っておくこと。エラーが出ないので気づきにくい。
Remotely Save(コミュニティプラグイン)
Obsidianの中から、自分で用意したクラウドへ同期する。モバイルでも動くのが最大の利点で、AndroidとiPhoneが混ざる構成の現実解になりやすい。
無料で使えるバックエンドは、S3互換(Cloudflare R2・BackBlaze B2など)・Dropbox・OneDrive personal(App Folder)・WebDAV(NextCloudなど)。 **PRO(有料)なのは、Google Drive・Box・pCloud・Yandex Disk・Azure Blob Storage・OneDrive Full、そして小さいMarkdownを自動でマージする「スマート競合処理」**だ。
⚠️ S3互換ストレージ自体は無料とは限らない(保存容量・転送量で課金される)。「プラグインが無料」と「同期にお金がかからない」は別の話だ。
⚠️ 自動同期はObsidianが開いている間しか動かないとREADMEに明記されている。閉じている間に裏で同期される仕組みではない。
Syncthing(端末同士を直接つなぐ)
クラウドを経由せず、端末同士で直接やり取りする。中央のストレージにノートを保存しないので、容量制限がなく、第三者のサーバーにノートの実体が置かれない。
⚠️ ただし「第三者のインフラを一切通らない」わけではない。端末を見つけるための探索サーバーや、直接つながらないときの中継(リレー)を使う場合がある(通信自体は暗号化される)。
同期には相手側の端末がオンラインである必要がある。2台構成なら両方が起動している時間が要るが、常時起動の端末を1台挟めば、他の2台が同時に起動していなくても届く。
Git
変更を「コミット」という単位で記録して共有する。すでにGitを使っている人には最短だが、そうでない人には学習コストが高い。
⚠️ Gitは「置いておけば履歴が残る」仕組みではない。コミットした追跡対象のファイルしか残らないし、大きなバイナリ(画像・PDF)には向かない。リポジトリは必ず非公開にすること。プラグインの設定ファイルに認証情報が入っている場合があるので、公開リポジトリに上げると漏れる。
そのほかの選択肢
日本語圏でよく名前が挙がるものに Self-hosted LiveSync がある。自分でデータベース(CouchDB)を用意して、ほぼリアルタイムに同期するプラグインだ。動くと快適だが、データベースの用意と維持が前提になるので、この記事では「サーバーを持っている人向け」として最後にまとめて扱う。
比較のために:公式Obsidian Sync
2026年8月時点の公式表示で、Sync Standard が月5ドル(年払いなら月4ドル)・保管庫1つ・ストレージ1GB・版の履歴1か月・1ファイル5MBまで。Sync Plus が月10ドル(年払いなら月8ドル)・保管庫10個・ストレージ10GB(追加料金で100GBまで拡張可)・版の履歴12か月・1ファイル200MBまで。
無料の方法にかかっているのは、お金ではなく自分の時間だと考えるのが正確だ。年払いStandardなら税等を除いて年48ドル。設定と障害の切り分けを自分でやる時間をこの額と比べて、どちらが安いかで決めるといい。
繋ぐ前にやること(ここが最大の事故ポイント)
運用中の競合よりも、初回接続でノートを失う事故のほうが被害が大きい。両方の端末に別々の内容が入っている状態で繋ぐと、片方が消えることがある。Remotely SaveのREADMEも、使用前にVaultをバックアップするよう強い調子で警告している。
順番を守れば防げる。
- Vault全体を別の場所へコピーする(外付けドライブでも、圧縮ファイルをどこかに置くのでもいい)
- コピーから1つ開いてみて、ちゃんと読めることを確認する。取っただけで壊れていたら意味がない
- 最初はテスト用の小さなVaultで試す。本番のVaultでいきなり繋がない
- 片方を「正本」と決める。両端末に別内容がある状態で同期を開始しない
- 初回の同期が終わるまで編集しない。終わったかどうかは同期ツールのログや状態表示で確認する
⚠️ クラウドの版履歴・Obsidianのファイル復旧・同じVault内のGit履歴は、いずれも独立したバックアップではない。版履歴には保持期間があり、ファイル復旧は端末ローカルに一定期間だけ残る機能で、同期もされないし端末を失えば一緒に消える。ローカルのGitも同じで、端末が壊れれば履歴ごと失われる。別の媒体に置いたコピーだけが、同期事故から独立している。
運用してから出てくる問題
1. 端末ごとに設定を変えたいときは、除外ではなくConfig folders
パソコンとスマートフォンでプラグインやホットキーを変えたい、という要望はよくある。ここで.obsidian フォルダを丸ごと同期から外す解決策をよく見かけるが、それだと添付先の指定・テンプレート・デイリーノートの設定といった、共有したい設定まで一緒に失われる。
Obsidianには設定フォルダを端末ごとに指定するConfig folders機能があり、公式の同期ガイドでも案内されている。設定を分けたいなら、まずこれを検討するのが筋が良い。
整理するとこうなる。
| やりたいこと | 取るべき手 |
|---|---|
| 全端末で同じ設定を使いたい | .obsidian も同期する(既定でよい) |
| 端末ごとに設定を変えたい | Config folders で設定フォルダを端末別に分ける |
| ウィンドウ配置など端末固有のファイルだけ避けたい | workspace*.json など個別のファイルだけ除外する |
⚠️ なおRemotely Saveは既定で . や _ で始まる隠しファイルを同期しないので、.obsidian は最初から対象外だ。方法によって既定の挙動が違うので、「Vaultを丸ごと同期すれば設定も揃う」と思い込まないこと。
⚠️ .obsidian を同期する場合、そこに何が入っているかを一度確認してほしい。 プラグインは設定を .obsidian 配下のファイルに保存する仕組みで、接続先の認証情報を持つプラグインなら、それも一緒にクラウドへ上がる。Remotely Save自身がその例だ。設定を共有したいだけなら、認証情報を含むプラグインのデータは対象から外すほうが安全になる。
2. 同期はバックアップではない
同期は「全端末を同じ状態に保つ」仕組みなので、削除も同じように伝わる。1台で誤ってノートを消せば、他の端末からも消える。「クラウドに上げているから安心」は成り立たない。
前の節で作ったコピーを、定期的に取り直すこと。これが唯一、削除の伝播から独立している。
3. 競合したときの挙動は、ツールごとに違う
2台で同じノートをほぼ同時に編集すると、同期ツールはどちらを残すか決められない。このときの動きが方法によって違う。
- Syncthing … 片方を
ノート.sync-conflict-日付-....mdのような別名で保存する。エラーとしては通知されないので、自分で気づく必要がある - Remotely Save(無料) … 新しい方/大きい方を選ぶ方式。Markdownをマージして両方残す「スマート競合処理」はPRO機能。また自動同期中のエラーは表に出ないことがあるとREADMEにある
- クラウドストレージ … サービスごとに「競合コピー」の作り方も名前も違う
つまり**「conflictで検索すれば見つかる」は、Syncthing系にしか当てはまらない**。自分が使うツールが競合をどう扱うかを、最初に一度確認しておくといい。
減らす方法は共通していて、端末を移るときに前の端末の同期完了を待つこと。同時編集による競合はこれで避けられる(バックグラウンド停止や時刻ずれが原因の競合は別なので、これだけで全部が消えるわけではない)。
4. モバイルは「閉じている間」に同期しないことがある
Remotely Saveは前述のとおりObsidianが開いている間しか自動同期しない。OS側のクラウド同期を使う場合も、スマートフォンは省電力のためにバックグラウンド通信を制限する。
結果として「パソコンで書いた続きをスマホで開いたら古い内容だった」が起きる。アプリを開いて、同期ツールの状態表示が完了になるのを確認してから編集する。ここで焦って書くと、そのまま3番の競合になる。
5. 添付ファイルの置き場所
Markdownのノートはテキスト中心なら非常に軽い。重いのは画像・PDF・音声などの添付のほうだ。無料枠や端末の空き容量を超えると同期に失敗する。
⚠️ ここで「大きな添付はVaultの外に置けばいい」という解決策には落とし穴がある。Vault外のローカルファイルへのリンクは、他の端末では同じ場所にファイルが無いのでリンク切れになる。添付フォルダを同期対象から外した場合も同じだ。
外に出すなら、全端末から同じURLで開ける場所(共有リンクなど)に置いて、そのリンクを貼る。容量だけ見て外に出すと、複数端末で使うという目的そのものが壊れる。
6. 暗号化されるかどうかは方法で違う
無料の方法を選ぶときに見落とされがちなのがここだ。
- Remotely Save … パスワードを設定すれば端末間の暗号化が使えるが、設定しなければそのままクラウドへ送られる。またVault名は暗号化されないとREADMEに明記されている
- クラウドストレージ … 事業者側で暗号化されていても、事業者はデータにアクセスできる形式が一般的
- Git … リポジトリを非公開にしていなければ全世界に見える
- 公式Sync … 端末間の暗号化に対応している
授業のメモ程度なら気にしなくていいが、他人の個人情報や仕事の内容を書くなら、ここを確認してから選ぶ。
自分でサーバーを持つ選択肢
Remotely SaveはWebDAVやS3互換に対応しているので、同期先を自分で用意することもできる。前述のSelf-hosted LiveSyncも同じ方向の選択肢だ。第三者のクラウドにノートを置きたくない場合に効いてくる。
ただし正直に書くと、同期のためだけにサーバーを借りるのは割に合わないことが多い。管理の手間が増えるうえ、費用も公式Syncと大きく変わらない水準になりやすい。すでに別の目的でサーバーやNASを持っている人の「ついで」の選択肢と考えるのが現実的だ。用途と費用の比較は開発用サーバーの比較にまとめている。
まとめ
- 方法より先に、自分のOSの組み合わせを確認する。iCloud+Windowsは公式が破損の可能性を警告している
- AndroidとiPhoneが混ざるならRemotely Save。ただし無料で使えるのはS3互換・Dropbox・WebDAV・OneDrive personalで、Google Driveなどは有料
- 繋ぐ前にVaultをコピーする。事故がいちばん起きるのは運用中ではなく初回接続
- 設定を端末ごとに変えたいなら、
.obsidianの除外ではなくConfig folders - 競合の扱いはツールごとに違う。自分の使うツールがどうするかを最初に確認する
- 同じVaultに複数の同期方式を重ねない(公式が明記)
- 費用は「お金 vs 自分の時間」の交換。ノートが生命線なら公式Syncを買うのは合理的な判断だ
同期が安定したら、次はそのノートをどう使うかの話になる。保管庫をAIに読ませる構成はObsidian×Claude Codeに、入れておくと便利なプラグインはObsidianおすすめプラグインに書いた。
参照した公式ページ(2026年8月確認)
- Obsidian公式 — デバイス間でノートを同期する(OS別の対応・iCloud+Windowsの警告・Config folders・複数方式の併用禁止)
- Obsidian Sync 料金(プラン・容量・ファイルサイズ上限)
- Remotely Save README(無料とPROの区分・隠しファイルの既定・暗号化・バックアップ警告)
- Syncthing FAQ(iOS公式クライアントについて)
よくある質問
Obsidianを無料で同期する方法はありますか?
あります。よく使われるのは、iCloud DriveなどのクラウドストレージにVault(保管庫)ごと置く方法、Remotely Saveプラグインで自分のクラウドと同期する方法、Syncthingで端末同士を直接つなぐ方法、Gitでバージョン管理しながら共有する方法の4つです。ただしどれが使えるかは端末のOSの組み合わせで決まります。Obsidian公式は方法ごとに推奨OSを示しており、たとえばiCloud DriveはmacOS・iOS・iPadOS向けで、Windowsで使うとファイルの重複や破損につながる可能性があると警告しています。
AndroidとiPhoneが混ざっている場合はどうすればいいですか?
Obsidian公式の記載では、Google DriveはWindows・macOS・Android向けでiOSは機能が限られ、OneDriveはWindows・macOS向けでAndroidは機能が限られます。両方のモバイルOSをまたぐなら、Obsidianの中で動くRemotely Saveプラグイン(S3互換・Dropbox・WebDAVなどが無料で使えます)が現実的な選択肢になります。
同期していればバックアップは要りませんか?
必要です。同期は複製であってバックアップではありません。1台で消したノートは同期を通じて他の端末からも消えます。クラウドの版履歴やObsidianのファイル復旧は保持期間や対象が限られ、同じVault内のGit履歴は端末が壊れれば一緒に失われます。同期を設定する前に、Vault全体を別の媒体へコピーしておくのが確実です。
無料の同期と公式のObsidian Syncは何が違いますか?
公式Syncは有料で、2026年8月時点の公式表示ではStandardが月5ドル(年払いなら月4ドル)、Plusが月10ドル(年払いなら月8ドル)です。暗号化・バージョン履歴・モバイルを含む公式サポートが最初から揃っています。無料の方法は費用がかからない代わりに、OSの組み合わせの確認と、うまくいかないときの切り分けを自分で行うことになります。
端末ごとにObsidianの設定を変えられますか?
できます。Obsidianには設定フォルダを端末ごとに指定するConfig folders機能があり、公式の同期ガイドでも案内されています。パソコンとスマートフォンでプラグインやホットキーを変えたい場合は、設定フォルダを丸ごと同期対象から外すより、この機能で分けるほうが目的に合います。