Obsidianの内容をブログにする【2026年8月版】Publish・Quartz・WordPress比較

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Obsidianに書きためたノートは、実体が普通のMarkdownファイルだ。だから「これをそのままWebに公開する」までの距離は、実は意外と短い。

ただし公開する道は1つではない。よく使われるのはObsidian Publish・Quartz・WordPressの3つで、費用も手間も、できあがるものの性格もかなり違う。どれが正解かは技術レベルではなく、**「ノートを公開したいのか、ブログを運営したいのか」**でほぼ決まる。

結論 お金で手間を買うならObsidian Publish、無料で公開したい・手を動かせるならQuartz、ノート公開ではなく「ブログ運営」がしたいならWordPress。迷ったら、収益化や本格的なデザインをしたいかどうかで前2者とWordPressを分け、そのあと予算で前2者を分ける。

3つの道を比較する

Obsidian PublishQuartzWordPress
費用月8ドル(年間契約)/月10ドル(月契約)※1サイトあたり ※学生・教職員は40%OFFツールは無料。小規模なら無料ホスティング枠で開始できる(独自ドメインは年1,000〜2,000円程度)レンタルサーバー代 月500〜1,000円程度+ドメイン代
手間最小。設定画面から公開するだけ中。Node.jsとGitの基本操作が要る中。サーバー契約と初期設定、記事は書き出して投稿
独自性・自由度低め。見た目はObsidianに近く、カスタマイズは限定的中。テーマや構成をコードでいじれる最高。テーマ・プラグイン・収益化まで何でも
Obsidianとの距離一体。ノートが正本のまま近い。Vaultのコピーを変換して公開遠い。書き出し・コピーで移す
向く人手間ゼロでノートを公開したい人無料で公開したい・技術に抵抗がない人ブログとして育てたい・収益化したい人

順に中身を見ていく。

Obsidian Publish:公式の「公開ボタン」

Obsidianの開発元が提供する公式サービスだ。仕組みとしては、Obsidianの設定画面で公開したいノートにチェックを入れてアップロードするだけ。サーバーの契約も、変換ツールの導入も要らない。

  • 公開されるサイトはObsidianの見た目に近く、ノート間のリンクやグラフビューもそのまま動く
  • ノートを直したら再アップロードするだけで反映される。Obsidianが正本のまま運用できる
  • 独自ドメイン(自分専用のWebアドレス)の割り当てにも対応している

料金は1サイトあたり月8ドル(年間契約)、月ごとの契約なら月10ドル(2026年8月時点、公式の料金ページより)。Obsidian本体は無料だが、Publishは別料金のサービスだ。なお学生・教職員・非営利団体はSyncとPublishが40%OFFの対象になっている(申請制。最新の条件は公式ページで確認を)。

⚠️ 円換算だと年間で1万5千円前後になる。「ノートを数枚見せたいだけ」の用途には割高で、この金額を払うならWordPressのサーバー代とあまり変わらない。設定の手間を極限まで減らせることに価値を感じるかどうかで判断したい。

向くのは:技術的な作業に時間を使いたくない人。ゼミや研究会の資料集、自分の知識ベースの公開など、「ブログ」というよりノート集をそのまま見せたい用途。

Quartz:無料で静的サイトに変換する

エディタでサイトを構築するイメージ

Quartzは、Markdownのノートを静的サイト(あらかじめ全ページを作っておく方式のWebサイト。表示が速く、無料の置き場所に置ける)に変換する無料ツールだ。ツール自体は無料で、小規模なら無料ホスティングの枠内で始められる(独自ドメインを使うならドメイン代は別途。無料ホスティングには帯域やビルド回数の制限もあるので、アクセスが増えたら見直しになる)。Obsidianの[[内部リンク]]やグラフビューに対応していて、「Obsidianっぽい見た目のサイト」を無料で作れる。

手順の概観はこうだ。

  1. Node.js(v22以上)を入れる。QuartzはNode.js上で動く
  2. QuartzをGitHubから取得して、contentフォルダに公開したいノートをコピーする
  3. コマンドを1つ叩くと、手元でサイトのプレビューが見られる
  4. GitHub PagesやCloudflare Pagesなどの無料ホスティングに接続する。GitHub ActionsかCloudflare Pagesのビルド設定を済ませれば、以後はGitでpushするたびに自動で公開が更新される。初回だけはCIの設定・ビルド出力先の指定・ドメイン接続という準備が要る

書くと4行だが、Node.jsの導入・コマンド操作・Gitの基本という3つの技術的ハードルが詰まっている。逆に言えば、このあたりに抵抗がなければ低コストで一番いいとこ取りができる。理系の学生なら、演習でGitに触った経験があれば十分越えられる高さだ。

⚠️ Vaultを丸ごとcontentフォルダにしないこと。公開したいノートだけをコピーする運用にしないと、下書きや私的なメモまで公開される。後述の落とし穴の筆頭だ。

向くのは:無料で公開したい人、コマンド操作に抵抗がない人。デジタルガーデン(完成した記事ではなく、育ちかけのノートを公開していくスタイル)をやりたい人には特に噛み合う。

WordPress:ブログとしての王道

レンタルサーバーのイメージ

前の2つが「ノートをWebに写す」方式なのに対して、WordPressは独立したブログシステムだ。世界のWebサイトの4割前後で使われている定番で、テーマ(デザインの着せ替え)もプラグイン(機能追加)も桁違いに豊富。広告やアフィリエイトでの収益化、本格的なデザイン調整まで、自由度は3つの中で最も高い

そのぶんObsidianとの距離は遠い。自動でつながる仕組みは標準にはなく、現実的な運用は次のようになる。

  1. レンタルサーバーを契約してWordPressを設置する(多くのサーバーに簡単インストール機能がある)
  2. Obsidianで下書きを書く
  3. 完成したらMarkdownをコピーしてWordPressのエディタに貼り付ける(見出しや箇条書きは解釈されるが、貼り付けだけでは表・脚注・数式・内部リンクが崩れることがあり、変換の手間がかかる場合がある)
  4. 画像は別途アップロードして差し替える

つまりObsidianは「下書き専用の執筆環境」という位置づけになる。ノートとブログ記事が別物として分かれるので、公開・非公開の事故が起きにくいという利点もある。

サーバー代は、WordPressが動くプランで月500〜1,000円ほどが目安だ。安く始めたいならロリポップ!のハイスピードプランあたりが候補になるが、速度・料金・サポートは各社でかなり違う。4つの軸で並べたWordPressサーバーの比較を見てから決めたほうが早い。開設手順そのものはWordPressブログの始め方にまとめている。

向くのは:ノート公開ではなくブログを育てたい人。この3方式のうち、非技術者が収益化機能(広告・アフィリエイト)を追加しやすいのはWordPressだ。Quartzのような静的サイトでも広告タグやアフィリエイトの導線は実装できるが、自分でコードを触る前提になる。

⚠️ どの道でも踏む落とし穴

公開前にコードとリンクを確認するイメージ

方式を選んだあと、公開ボタンを押す前に確認してほしいことが4つある。

1. 個人情報・APIキーの混入

ノートには自分しか読まない前提の情報が混ざっている。人名・住所・スクリーンショット内のメールアドレス、そしてAIプラグインを使っているなら設定に保存されたAPIキー(外部サービスを呼ぶための鍵。漏れると他人に課金される)。公開対象のフォルダを検索して、この手の文字列が入っていないか公開前に必ず一度洗うこと。洗う対象は本文だけでは足りない。添付画像とそのEXIF(撮影場所などが埋まっていることがある)、.obsidianフォルダの設定ファイル、Gitで公開するならコミット履歴にも秘密情報は残りうる。Quartzなら、Vaultとは別に公開用のリポジトリを分けてそこにコピーしたものだけをpushする運用が安全だ。Obsidian連携でのキーの扱いはObsidian×Claude Codeでも触れた。

2. 内部リンクと画像パスの崩れ

Obsidianの[[内部リンク]]は独自記法なので、公開先が解釈できないとただの文字列になる。PublishとQuartzは対応しているが、リンク先のノートを公開対象に入れていなければリンク切れになる。WordPressに貼り付ける場合は内部リンクも画像パスも全部貼り直しだ。公開後に主要ページを自分で一巡クリックして確かめるのが確実。

3. 下書きと公開の分離

「公開してよいノート」と「まだのノート」の区別を、フォルダかタグの仕組みで分けておく。Publishはノート単位のチェックで管理できるが、Quartzでフォルダごと変換する運用だと、区別の仕組みがないまま下書きが混ざる。「公開用フォルダに移動したものだけが公開される」という一方通行のルールにしておくと事故が減る。

4. 独自ドメインの要否

Quartzの無料ホスティングでは 〜.pages.dev のような割り当てのアドレスになる。個人のノート公開ならそれで十分だが、長く続けるブログとして育てるなら独自ドメインを最初から取っておきたい。あとからアドレスを変えると、検索エンジンの評価も他サイトからのリンクも引き継ぎに手間がかかるからだ。年1,000〜2,000円程度で取れる。

まとめ

  • Publish=お金で手間を買う(月8ドル〜)。ノート集をそのまま見せたい人向け
  • Quartz=小規模なら無料枠で始められるが手を動かす。Node.jsとGitに抵抗がなければ一番コスパがいい
  • WordPress=ブログ運営の王道。収益化機能を手軽に足すならこれが一番楽。Obsidianは下書き環境になる
  • ⚠️ どの道でも、個人情報・APIキーの混入チェックリンク・画像の確認を公開前に。下書きと公開の分離ルールも先に決めておく

なお、公開の前提になるのは「公開に値するノートが書きためてある」ことだ。ノートの育て方そのものはObsidianを第二の脳にするにまとめているので、土台がまだの人はそちらから読んでほしい。

よくある質問

Obsidianのノートを公開する一番かんたんな方法は?

公式サービスのObsidian Publishです。Obsidianの設定画面から公開するノートを選んでアップロードするだけで、サーバーの準備もツールの導入も要りません。そのぶん有料で、年間契約なら月8ドル、月ごとの契約なら月10ドルがサイト1つあたりにかかります(2026年8月時点の公式価格)。

無料で公開できますか?

できます。Quartzという無料の変換ツールを使えば、ノートを普通のWebサイトに変換して、GitHub PagesやCloudflare Pagesといった無料の置き場所に公開できます。お金の代わりに手間がかかる方式で、Node.jsの導入やコマンド操作、Gitの基本操作がある程度必要です。

WordPressで公開するのとは何が違いますか?

PublishとQuartzは「ノートをそのままWebに写す」方式で、Obsidianが正本のまま運用できます。WordPressは独立したブログシステムなので、デザインや収益化の自由度が最も高い一方、Obsidianとは自動でつながらず、記事を書き出して貼り付ける運用になります。ノート公開ならPublishかQuartz、ブログ運営が目的ならWordPressが向きます。