ObsidianでPDFを読み込み・埋め込む|Vaultに置くだけ、線はPDF++【2026年10月版】

ObsidianでPDFを読み込み・埋め込む|Vaultに置くだけ、線はPDF++【2026年10月版】

講義スライドのPDFを開いて、大事なところに線を引く。ここまでは誰でもやる。

問題はその後で、線はPDFビューアの中、考えたことはノートアプリの中と、置き場所が分かれてしまう。試験前にノートを見返しても「この式の導出、スライドのどこかに線を引いたはず」から先に進めない。

結論 PDFはVault(ノートを入れるフォルダ)に入れるだけで読める。ノートから [[ファイル.pdf#page=12]] と書けばページ番号を指したリンクになり、線を引いた箇所への「選択範囲リンク」も標準で作れる。線そのものを保存・蓄積するのはプラグインの領域なので、必要になってから足せばいい。

目次 / INDEX

読み込みは「Vaultに入れるだけ」

まず前提から。ObsidianでPDFを扱うのに、インポート機能や変換は要らない。

Vaultのフォルダの中にPDFファイルを置くだけだ。Finderやエクスプローラーでコピーしてもいいし、Obsidianの画面にドラッグ&ドロップしてもいい。

置いたPDFは、標準機能だけで次のことができる。

  • 内蔵ビューアで開く … タブでノートと並べて表示できる。ページ送り・拡大縮小・ページ内のテキスト検索も効く
  • ノートに埋め込む … ![[ファイル.pdf]] と書くと、ノートの中にPDFの実物が表示される(埋め込みは、ノート内に他のファイルを表示すること)
  • リンクを張る … [[ファイル.pdf]] で、ノートからワンクリックでPDFに飛べる

つまり「読み込み」の実体はファイル置き場の統一で、スライドもノートも同じVaultの中にあるという状態を作ることだ。これが後述のリンクの土台になる。

⚠️ 逆に、Vaultの外にあるPDFはObsidianからは見えない。リンクも埋め込みもできない。ここが後半の「中に置くか外に置くか」の話につながる。

ドラッグ&ドロップすると、PDFはどこに入るか

PDFをノートの編集画面に直接ドロップすると、Obsidianはファイルを添付ファイルの保存場所にコピーし、そのノートに埋め込む(公式ヘルプ)。保存場所は 設定 → ファイルとリンク →「新規添付ファイルの作成場所」で決まる。

設定PDFが入る場所
保管庫直下Vaultのいちばん上
以下で指定されたフォルダ自分で決めたフォルダ(例:添付)
現在のファイルと同じフォルダドロップしたノートと同じフォルダ
現在のフォルダのサブフォルダノートの隣に作る指定のフォルダ

⚠️ 保管庫直下のままPDFをどんどんドロップすると、Vaultの一番上がPDFで埋まる。学期フォルダで整理したいなら、先に「現在のファイルと同じフォルダ」か、指定フォルダに変えておく。埋め込まずにファイルだけ置きたいときは、エディタではなく左のファイル一覧か、Finder・エクスプローラーでVaultに入れる。

ObsidianのVaultにPDFを入れるフォルダ構成

本題:ページ番号を指すリンクの作り方

ただリンクするだけなら普通のファイル管理と変わらない。Obsidianの価値は、PDFの特定のページを指せることにある。書き方はこうだ。

[[講義03_信号処理.pdf#page=12]]

#page=12 を付けると、このリンクを開いたときPDFが12ページ目で開く。授業ノートに「フーリエ変換の定義は [[講義03_信号処理.pdf#page=12]] を参照」と書いておけば、見返したときに探す手間がゼロになる。

ノートの中にページの実物を表示したいなら、先頭に ! を付けて埋め込みにする。

![[講義03_信号処理.pdf#page=12]]
![[講義03_信号処理.pdf#page=12&height=400]]

2行目のように &height=400 を足すと、埋め込みの表示の高さをピクセル指定できる。ただしこのつなぎ方は公式ヘルプには載っていない。スライド1枚をノートの流れの中に貼りたいときに便利だ。

公式ヘルプが説明しているのは #page=3 と #height=400 をそれぞれ単独で使う書き方だ(2026年9月時点)。2つを & でつなぐ書き方は公式には載っていないので、表示が崩れたら片方ずつに戻す。

さらに、手で書かなくてもいい方法がある。内蔵ビューアでPDFの文章をドラッグして選択し、右クリックすると選択範囲へのリンクをコピーする項目がある。メニューの文言はバージョンで変わることがある。

この機能は2023年のバージョン1.3.7で入ったもので、選択した文章のほか、PDFの目次や、他のアプリで付けた注釈を右クリックしてもリンクを作れる。

これをノートに貼ると、ページ番号に加えて選択位置の情報が入ったリンクになり、開くと該当の文が強調表示された状態でPDFが開く。「引いた線とノートが別々」問題への、標準機能での答えがこれだ。

運用としては、授業ノートを書きながら、根拠にしたスライドの箇所を選択範囲リンクでノートに貼っていく。線をPDFに残すのではなく、線を引きたい箇所への参照をノート側に残すという発想の転換になる。授業ノート自体の作り方は大学生のObsidian授業ノート術に書いた。

境目:どこからプラグインが要るのか

検索して出てくる解説は「プラグインを入れれば全部できる」に飛びがちだ。ここが検索しても分かりにくいところなので、表にする。2026年8月時点の整理だ。

やりたいこと標準機能プラグイン
PDFを開いて読む・検索する○−
ページ番号を指すリンク・埋め込み○−
選択範囲へのリンクをノートに貼る○−
ハイライトをPDFに保存して蓄積する×○
線の色分け・注釈コメント×○
引いた線を一覧にしてノートへ抽出×○

標準機能の選択範囲リンクは、あくまで「リンクを開いたときに一時的に強調表示される」だけで、PDFファイル自体には何も書き込まれない。PDFを開き直しても線は表示されないし、「この資料に引いた線の一覧」を見ることもできない。

そこから先を担うのが、PDF++というコミュニティプラグイン(有志が作る拡張機能)だ。内蔵ビューアを拡張して、ハイライトの保存・色分け・注釈の管理ができるようになり、引いた線をノート側に書き出す使い方もできる。紙の教科書にマーカーを引く感覚に近づけたい人向けだ。

⚠️ ただし、コミュニティプラグインは仕様が変わる・開発が止まる可能性が常にある。ハイライトの保存形式がプラグイン独自だと、そのプラグインをやめたときに資産が引き継げないこともある。

ペンで書き込みたい資料は、Obsidianより手書きのPDFアプリで開くほうが向いている。iPadで書き込むならペンは大学生におすすめのiPad用ペン、紙に近い書き心地にするフィルムはiPad用ペーパーライクフィルムで選べる。

PDF++で線を残す手順

PDF++の線は、PDFに書き込むのではなく、ノートに貼ったリンクから描かれる。READMEの説明では、既定の動作ではPDFファイル自体は書き換わらず、Obsidianでの表示だけが変わる(2026年9月時点)。

  1. 設定 → コミュニティプラグイン →「閲覧」で PDF++ を検索し、インストールして有効化する
  2. PDFを開き、線を引きたい文章をドラッグで選ぶ
  3. ツールバーに出るカラーパレットで色を選ぶと、色付きのリンクがコピーされる
  4. そのリンクを授業ノートに貼る。PDF側の該当箇所に、その色の線が表示される

よく使うならコマンド「Copy link to selection or annotation」にホットキーを割り当てる。「Copy & auto-paste link to selection or annotation」を使うと、コピーと貼り付けが1回で済む。

⚠️ 設定でPDFへの直接書き込み(実験的な機能)をオンにすれば、Obsidianの外でも見える注釈をPDFに残せる。ただしREADMEは、Obsidianの非公開の仕組みに多く頼っているため、本体の更新で動かなくなる可能性が比較的高いと明記している。Androidで動かないときは、Android System WebViewを更新するよう案内されている。

だからこの記事の推しは「まず標準の選択範囲リンクで運用を回し、線の蓄積がどうしても必要だと分かってからPDF++を検討する」という順番だ。最初からプラグイン前提で組むと、土台の運用が固まる前に設定いじりが目的化しやすい。

ObsidianのPDF注釈にプラグインが要る境目

PDFをVaultの中に置くか、外に置くか

もうひとつ、始める前に決めておきたいのが置き場所だ。結論から言うと、リンクして使うPDFは中、読むだけのPDFは外が基本になる。

Vaultの中に置くVaultの外に置く
リンク・埋め込み○ できる× できない
Vaultの容量PDFの分だけ膨らむ増えない
同期への影響大きい(後述)なし
向いているもの講義スライド、よく参照する資料読む本数が多い論文、読み終えた資料

問題は容量と同期だ。ノートはテキストなので数千枚あっても数十MBだが、PDFは1つで数MB〜数十MBある。1学期分の講義スライドなら大した量ではないが、論文を何百本も入れると、Vaultの中身のほとんどがPDFになる。

これが効いてくるのが同期のときだ。公式のObsidian Syncは、Standardプランだと1ファイル5MBまでしか同期できない(Plusプランは200MBまで、2026年9月時点)。図の多い講義スライドは5MBを超えやすく、超えたファイルは同期されない。

iCloudなどのクラウドフォルダで同期している場合も、大きいファイルが増えるほど同期は遅くなり、スマホ側で開くときの待ち時間も伸びる。

Obsidian Syncなら、設定 → Sync の「選択的同期」でPDFをオフにできる(既定はオン。変えたあとはアプリの再起動が要る)。これで「ノートは全端末で同期、PDFはPCにだけある」という折衷ができる。

だから振り分けはこうなる。

  1. 講義スライド … Vault内の学期フォルダへ。ファイル名に科目名を入れておく。数が知れていて、ノートからページリンクで刺す頻度が高い
  2. 論文 … 本数が多く増え続けるので、Vaultには入れずZotero(無料の文献管理ソフト)を保管庫にする。ObsidianにはPDF本体ではなく文献ノートだけを置く。この構成はObsidianとZoteroで論文管理に詳しく書いた
  3. 読み終えて参照しなくなったPDF … Vaultから出して外部ストレージへ退避する。Macの内蔵ストレージが苦しい場合の受け皿はポータブルSSDの選び方にまとめている

⚠️ 途中でPDFをVaultの外に出すと、そのPDFへ張ったリンクは切れる。退避するのは「もうノートから参照しない」と判断したものだけにする。

スマホのObsidianでPDF資料を読む

授業での運用例:スライド1本をノート1枚に対応させる

具体的な形を1つ示す。学期フォルダの中を、こう分ける。

  • 20_Univ/2026後期/講義03_信号処理.pdf … 配布PDFに科目名を付けて入れる
  • 20_Univ/2026後期/2026-10-14_信号処理_フーリエ変換.md … その回の授業ノート(命名は授業ノート術と同じ形)

授業ノートの側に、自分の言葉の説明と、根拠のスライドへのページリンクを並べて書く。

## フーリエ変換の直感

周波数ごとの「含まれ具合」を取り出す変換。
定義式と導出 → ![[講義03_信号処理.pdf#page=12&height=400]]

⚠️ 教授いわく、試験では逆変換の導出が頻出
(該当箇所 → [[講義03_信号処理.pdf#page=15]])

ポイントは、スライドの文面をノートに書き写さないことだ。書き写しは時間がかかるうえ、自分の理解を経由しない。原文はリンクの先にあるのだから、ノートに書くのは自分の言葉の要約と疑問だけでいい。

試験前は授業ノートを読み、詰まったらリンクから該当ページに飛ぶ。この往復が速いことが、線とノートを同じ場所に置く意味そのものだ。

⚠️ 落とし穴3つ

⚠️ PDFのファイル名を後から変えるときはObsidianの中で。 Finderなどで直接リネームすると、ノートに書いたリンクはそのままなので切れる。

Obsidianのファイル一覧からリネームすれば、Vault内のリンクは自動で追従して書き換わる。フォルダ移動も同じだ。

⚠️ スキャンPDFはテキスト検索が効かない。 紙の資料をスキャンした画像だけのPDFは、ページ内検索も選択範囲リンクも使えない(文字情報がないため)。ページ番号リンクは使えるので、リンク運用自体は可能だが、過信しないこと。

紙の教科書やプリントをこれから自分でPDFにするなら、教科書の自炊で選ぶドキュメントスキャナーで、給紙方式と1冊あたりの時間から選べる。

⚠️ 「とりあえず全部入れる」をやらない。 手に入れたPDFを全部Vaultに放り込むと、容量の問題より先に、ノートから1本もリンクされていないPDFの山ができる。Vaultに入れるのは「ノートから参照するもの」だけ、という基準を最初に決めておくと散らからない。

今日の要点

  • PDFの読み込みはVaultにファイルを置くだけ。閲覧・検索・埋め込みまで標準機能でできる
  • ページ番号リンクは [[ファイル.pdf#page=12]]、埋め込みは ![[ファイル.pdf#page=12&height=400]]。選択範囲へのリンクも標準で作れる
  • 境目はハイライトの保存。線をPDFに蓄積し、色分け・抽出までやるならPDF++などプラグインの領域。PDF++の線は既定ではノートのリンクから描かれ、PDF自体は書き換わらない
  • エディタにドロップしたPDFは「新規添付ファイルの作成場所」に入る。Obsidian Sync Standardは1ファイル5MBまで
  • 置き場所は講義スライド=Vault内、論文=Zotero、読み終えた資料=外部ストレージ。PDFは容量と同期に効くので、全部入れは避ける
  • ⚠️ リネームはObsidian内で・スキャンPDFは検索不可・リンクしないPDFは入れない

線を引く手が資料の上、考える頭がノートの上、と分かれていた状態を、リンク1本でつなぐ。まずは今学期の1科目分のスライドをVaultに入れて、次の授業のノートからページリンクを1本張るところから始めてほしい。

出典(公式ドキュメント・2026年9月27日時点)

Obsidianの全体像 Obsidianの使い方|目的別の完全ガイド 始め方から授業ノート・数式・同期・AI連携まで、目的別に次の一手をまとめた入口の記事。 読む →

よくある質問

PDFをObsidianに読み込むには、何か特別な操作が必要ですか?

不要です。Vault(ノートを入れているフォルダ)の中にPDFファイルをコピーするか、Obsidianの画面へドラッグ&ドロップするだけで、ファイル一覧に現れて内蔵ビューアで開けるようになります。インポート機能やプラグインは要りません。逆に言うと、Vaultの外にあるPDFはObsidianからは見えないので、リンクや埋め込みの対象にしたいPDFはVault内に置くのが前提になります。

標準機能だけでPDFにハイライトを保存できますか?

2026年8月時点では、選択した箇所を指す「選択範囲へのリンク」をノートに残すことはできますが、PDF側に線そのものを保存して蓄積することは標準機能ではできません。リンクを開いたときに該当箇所が強調表示されるだけで、PDFファイル自体は書き換わりません。線を色分けして保存したり、引いた線を一覧にして取り出したりしたい場合は、PDF++のようなコミュニティプラグインの領域になります。

PDFを全部Vaultに入れるとVaultが重くなりませんか?

なります。ノートはテキストなので数千枚でも軽いのですが、PDFは1つで数MB〜数十MBあり、Vaultの容量のほとんどをPDFが占めるようになりがちです。同期サービスには容量や1ファイルあたりのサイズ上限があるため、全部入れる運用は早めに限界が来ます。ノートからリンクして使う講義スライドはVault内、読む本数が多い論文はZoteroなど外の保管庫、という分け方が現実的です。

次に読むなら

ZoteroとObsidianの連携で論文管理|Zotero Integrationの設定手順【2026年10月版】論文PDFまで扱うなら、Zoteroと組み合わせる読む →