Obsidianのフォルダ構成【2026年8月版】迷うなら3〜4個でいい

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ノートが増えてくると、フォルダをどう切るか気になり始める。調べるとPARA(プロジェクト/エリア/リソース/アーカイブの4分類法)やZettelkasten(カード同士をリンクで繋ぐノート法)といった有名な手法が出てくるが、読み終えたあとに残るのはたいてい「で、大学の授業ノートはどこに入れるのか」という疑問だ。仕事のプロジェクト管理を前提にした話が多く、学生生活にそのまま当てはまらない。

そしてもう1つ、あまり書かれていないことがある。フォルダは、増やすほど使いにくくなるということだ。

結論 大枠のフォルダは3〜4個だけ作り、それ以上増やさない。「どの授業か」「どのテーマか」という分類はフォルダでやらず、タグとリンクに逃がす。フォルダが向いているのは「期限が来たら丸ごと動かすもの」だけだ。

フォルダを増やすほど、手が止まる

整理された保管庫(ObsidianではVault=ノート一式の置き場と呼ぶ)を想像すると、細かくフォルダが切られた姿を思い浮かべやすい。だが実際にやると逆のことが起きる。フォルダが多いほど、ノートを保存するたびに「どこに入れるか」の選択を迫られて、手が止まる

原因はフォルダの性質にある。1つのノートは、1つのフォルダにしか置けない。ところがノートの中身は、複数の文脈に属するのが普通だ。

たとえば「フーリエ変換のメモ」は、「信号処理の授業」でもあり、「レポートの材料」でもあり、「数学」でもある。フォルダが 授業/レポート/数学/ と分かれていたら、どこに入れても残り2つの文脈から切り離される。この「どれか1つを選ばされる」感覚が積み重なると、保存のたびに小さな決断コストを払うことになり、いちばん大事な「書くこと」自体が億劫になる

さらに、入れるときに迷った分類は、探すときも同じ場所で迷う。「あのメモ、授業フォルダだっけ、レポートフォルダだっけ」となった時点で、フォルダは検索の役に立っていない。

分類が増えて散らかっていくイメージ

PARAやZettelkastenを、そのまま輸入しない

有名な手法が悪いわけではない。前提が違うのだ。

  • PARAは「締切と成果物があるプロジェクト」を仕事の単位とする人向けの分類だ。大学の授業は、締切のある課題(プロジェクト的)と半年続く学び(エリア的)が混ざっていて、どちらに入れるか毎回迷う。この迷いは設計の失敗ではなく、分類の前提が学生生活と噛み合っていないだけだ
  • Zettelkastenは、そもそもフォルダをほとんど使わない。1枚1トピックのカードをリンクで繋いでいく手法なので、フォルダ構成の答えを求めて読んでも載っていない

ただし、2つの手法が共通して言っていることは持ち帰る価値がある。「分類は軽くして、繋がりで管理する」。この思想だけ受け取って、フォルダ構成は自分の生活に合わせて最小にする。

大学生向けの最小構成:3〜4個

大枠はこれだけでいい。番号は並び順を固定するためのもので、なくても動く。

Vault/
├── 00_Inbox      … とりあえず放り込む場所
├── 10_Notes      … 育てる知識の本体(分類しない)
├── 20_Univ       … 授業・課題など「期限があるもの」
└── 90_Archive    … 終わったものの置き場

それぞれの役割ははっきり分かれている。

フォルダ入れるもの性質
00_Inbox思いつき、あとで整理するメモ全部通過点。溜め場ではない
10_Notes自分の言葉で書いた知識・考え本体。この中は分類しない
20_Univ授業ノート、課題、講義資料学期という寿命がある
90_Archive終わった学期、使わなくなったノート検索には残る倉庫

ポイントは2つある。

1つ目は、10_Notes の中にサブフォルダを作らないこと。ここが「どこに入れるか」で迷わない仕組みの核心だ。新しいノートは何も考えず 10_Notes に置き、分類は次の節で書くタグとリンクがやる。

2つ目は、20_Univ だけはサブフォルダを許すこと。20_Univ/2026後期/信号処理/ のように学期→科目で切っていい。授業ノートは「学期が終わったら丸ごと動かす」という寿命のはっきりした単位なので、排他的に1か所へ置けるフォルダの性質がそのまま利点になる。フォルダ分けが向くのは、こういう「まとめて動かすもの」だけだ。

まずは3個で始めて、最初の学期が終わるときに 90_Archive を作る、という順番でも遅くない。空のフォルダを先に量産しないことのほうがずっと大事だ。

少ない部品で仕組みを回すイメージ

分類はタグとリンクに逃がす

フォルダを減らした分の分類は、タグ(ノートに付ける #信号処理 のようなラベル)とリンク(ノート同士を [[ ]] で繋ぐ機能)が引き受ける。

フォルダとの決定的な違いは、1つのノートに何個でも付けられることだ。さっきの「フーリエ変換のメモ」なら、#信号処理#数学 を両方付け、レポートのノートからリンクを張ればいい。3つの文脈すべてに属したまま、置き場所は 10_Notes の1か所で済む。

ノートが増えてきたら、信号処理まとめ のようなハブノート(関連ノートへのリンクを並べた目次ノート。MOCとも呼ばれる)を1枚作ると、フォルダで階層を掘らなくても科目単位の入り口ができる。タグを何個まで作るか・命名をどう揃えるかはObsidianのタグ運用に分けて書いた。

なお「何をノートの本体に入れ、何を入れないか」という中身側の設計は、ツールを問わない話として第二の脳の作り方にまとめている。この記事はその設計をObsidianのフォルダにどう落とすか、という分担だ。

学期が終わったときの片付け方

この構成の運用は、学期の変わり目に1回だけ手を動かせば回る。

  1. 20_Univ/2026前期/ を丸ごと 90_Archive/ へドラッグする
  2. 授業ノートの中に「今後も使う理解」があれば、その部分だけ自分の言葉で 10_Notes に書き直す(切り貼りではなく書き直す。ここで頭に残る)
  3. 新学期のフォルダ 20_Univ/2026後期/ を作る

アーカイブしたノートも検索とリンクの対象には残るので、「消すか迷う」という判断は発生しない。迷ったら全部アーカイブでいい

残す知識を自分の言葉で書き直すイメージ

よくある疑問:デイリーノート・画像・テンプレートはどこに置くか

3〜4個構成で始めると、大枠に収まらないものが3種類だけ出てくる。先に答えを書いておく。

デイリーノート(日付がタイトルで、その日のことを何でも書く1枚のノート)を使うなら、05_Daily のような専用フォルダを1つ足していい。日付で引く前提のノートは中身での分類が要らないので、フォルダに閉じ込めても迷いが発生しないからだ。「フォルダは増やさない」の例外に見えるが、判断基準は同じで、入れるときに迷わないものはフォルダでいい

画像やPDFなどの添付ファイルは、放っておくとVault直下に散らかる。設定の「ファイルとリンク」→「新規添付ファイルの保存先」で 99_Attachments のような専用フォルダを指定しておくと、ノートの一覧に画像が混ざらなくなる。ここは自分で開くフォルダではないので、数に数えなくていい。

テンプレート(ノートの雛形)を使い始めたら、同じく設定でテンプレート用フォルダを1つ指定する。これも自分で開かない裏方のフォルダだ。

あわせて設定しておくと効くのが、「新規ノートの作成場所」を 00_Inbox に指定することだ。初期設定ではVaultの一番上にノートができるので、リンクから新規ノートを作るたびに置き場所を考えることになる。作成先をInboxに固定すれば、**「新しいノートはとりあえずInbox、振り分けは週1回」**という流れが設定レベルで強制され、迷う場面そのものが消える。

つまりフォルダは「自分で開いて選ぶ表のフォルダ」3〜4個と、「設定で指定するだけの裏方フォルダ」数個、という二層になる。迷いを生むのは表のフォルダだけなので、そこだけ最小に保てばいい。

⚠️ 落とし穴3つ

⚠️ Inboxを溜め場にしない。 00_Inbox は通過点で、週に1回空にする前提の場所だ。放置すると「未整理の山」が心理的な借金になり、Vaultを開くのが嫌になる。週1回、Inboxのノートを「10_Notes に移す・20_Univ に移す・消す」のどれかに振り分ける。1件あたり数秒で終わる作業だ。

⚠️ 完璧な構成を先に作ろうとしない。 フォルダ構成の記事を読み込むほど、始める前に設計を完成させたくなるが、順番が逆だ。ノートが溜まってから見えてくる分類のほうが必ず正しい。幸い、Obsidianはノートをフォルダ間で移動してもリンクを自動で書き換えてくれる(設定の「リンクを自動更新」がオンになっていることだけ確認しておく)。あとから直せるのだから、雑に始めていい。

⚠️ 「その他」フォルダを作らない。 分類に迷ったときの逃げ場として その他/ を作ると、数か月後には最大のフォルダになっている。迷ったものの行き先は 00_Inbox(あとで振り分ける)か 10_Notes(分類しないのが正解の場所)にすでに用意してある。逃げ場を増やす必要はない。

今日の要点

  • フォルダは増やすほど「どこに入れるか」で手が止まる。ノートは複数の文脈に属するのに、フォルダは1つしか選ばせないからだ
  • PARA・Zettelkastenは設計図として写さず、「分類は軽く、繋がりで管理」という思想だけ持ち帰る
  • 大枠は3〜4個00_Inbox 10_Notes 20_Univ 90_Archive。10_Notes の中は分類しない
  • 科目・テーマの分類はタグとリンクの担当。フォルダが向くのは「学期が終わったら丸ごと動かすもの」だけ
  • ⚠️ Inboxは週1で空にする・完璧な構成を先に作らない・「その他」フォルダを作らない

フォルダ構成が決まったら、次に効くのはタグの設計だ。増やしすぎて機能しなくなる前に、Obsidianのタグ運用で命名と数の絞り方を決めておくといい。ここで書いた二層(育てる知識と生ログ)を実際に手を動かして作る手順は、Obsidianを第二の脳にする 第1回から連載でまとめている。

よくある質問

フォルダは本当に3〜4個で足りますか?

大枠のフォルダは3〜4個で足ります。足りなく感じるのは「授業ごと」「テーマごと」の分類までフォルダでやろうとするときで、そこはタグとリンクの担当にすると破綻しません。ノートは1つのフォルダにしか置けませんが、タグとリンクは1つのノートに何個でも付けられるので、複数の文脈に属するノートを無理なく扱えます。例外は授業・課題のような「期限が来たら丸ごと動かすもの」で、ここだけは配下にサブフォルダを切る価値があります。

PARAやZettelkastenをそのまま使ってはだめですか?

思想は使えますが、フォルダの設計図としてそのまま写すのはおすすめしません。PARAは仕事の「プロジェクト」単位が前提の分類法で、大学の授業はプロジェクトともエリアとも言い切れず、毎回の仕分けで迷いが発生します。Zettelkastenはそもそもフォルダをほぼ使わずリンクで繋ぐ手法なので、フォルダ構成の答えは載っていません。両者に共通する「分類を軽くして繋がりで管理する」という考え方だけ持ち帰るのが現実的です。

授業ごとにフォルダを分けたくなったら、どうすればいいですか?

授業・課題のフォルダの配下に限っては、学期ごと・科目ごとにサブフォルダを切って構いません。授業のノートは「その学期が終わったら丸ごとアーカイブへ動かす」という寿命がはっきりした単位なので、フォルダ分けの利点がそのまま効きます。逆に、育てていく知識のノートを科目別フォルダに入れるのは避けたほうが無難です。科目をまたぐ内容の置き場に必ず迷うので、そちらはタグとリンクで科目に紐づけます。