Obsidianのフォルダ構成【2026年10月版】4つで足りる

Obsidianのフォルダ構成に迷ったら、自分で開くフォルダは4つでいい。有名な整理法を読んでも「大学の授業ノートはどこに入れるのか」は書いていないので、そこまで含めて決めてしまおう。
結論 フォルダはノートの寿命で分ける。
00_Inbox(とりあえず置く)・10_Notes(育てる知識)・20_Univ(学期フォルダ1段だけ)・90_Archive(終わったもの)の4つで足りる。テーマの分類はリンクとハブノート(MOC)、タグは「要復習」のような状態と科目タグ1つ程度に絞る。
目次 / INDEX
フォルダを増やすほど、手が止まる
フォルダを細かく切るほど、Obsidianは使いにくくなる。保存のたびに「どこに入れるか」を選ばされて、手が止まるからだ。
原因はフォルダの性質にある。1つのノートは、1つのフォルダにしか置けない。ところがノートの中身は、複数の文脈に属するのが普通だ。
たとえば「フーリエ変換のメモ」は、信号処理の授業でもあり、レポートの材料でもあり、数学でもある。フォルダが 授業/・レポート/・数学/ と分かれていたら、どこに入れても残り2つから切り離される。
さらに、入れるときに迷った分類は、探すときも同じ場所で迷う。「授業フォルダだっけ、レポートフォルダだっけ」となった時点で、フォルダは検索の役に立っていない。
フォルダ・リンク・タグの役割分担
整理の道具は3つあり、フォルダは寿命、リンクはテーマ、タグは状態を受け持つ。ある道具に別の道具の役をさせないのが、構成を長持ちさせるコツだ。
| 道具 | 受け持ち | 決める質問 | 例 |
|---|---|---|---|
| フォルダ | 寿命(いつまで使うか) | このノートはいつ片付く? | 20_Univ/2026後期/ |
| リンクとハブノート | テーマの分類とつながり | どの話題とつながる? | [[信号処理まとめ]] |
| タグ | 今の状態+科目1つ | 今どういう扱い? | #要復習 #信号処理 |
フォルダは「置き場所が1つに決まる」ので、寿命のように答えが1つしかない問いに向く。授業ノートは学期が終われば丸ごと片付くので、学期フォルダがそのまま役に立つ。
テーマは答えが1つに決まらないので、フォルダではなくリンクで表す。フーリエ変換のメモなら、本文から [[信号処理まとめ]] と [[レポート_音声解析]] にリンクを張れば、置き場所は 10_Notes の1か所のまま、両方の文脈につながる。
タグは、フォルダを横断して同じ扱いのノートを拾うときに使う。理解が怪しい回に #要復習 を付け、復習したら外す。
科目で絞り込みたい人は #信号処理 のような科目タグを1つだけ付ける。タグの数と名前の決め方はObsidianのタグの使い方に分けて書いた。
大学生向けの最小構成:4つのフォルダ
大枠はこの4つで足りる。番号は並び順を固定するためのもので、なくても動く。
Vault/
├── 00_Inbox … とりあえず放り込む場所(週1で空にする)
├── 10_Notes … 育てる知識の本体(中は分類しない)
├── 20_Univ … 授業・課題など期限があるもの(学期フォルダ1段だけ)
└── 90_Archive … 終わった学期の倉庫
| フォルダ | 入れるもの | 寿命 |
|---|---|---|
| 00_Inbox | 思いつき、あとで整理するメモ | 数日。通過点で、溜め場ではない |
| 10_Notes | 自分の言葉で書いた知識、ハブノート | ずっと。この中は分類しない |
| 20_Univ | 授業ノート、課題、講義資料 | 1学期 |
| 90_Archive | 終わった学期、使わなくなったノート | 倉庫。検索とリンクには残る |
ポイントは2つある。
1つ目は、10_Notes の中にサブフォルダを作らないこと。新しいノートは何も考えず10_Notesに置き、どの話題に属するかはリンクとハブノートが決める。
2つ目は、20_Univ だけはサブフォルダを許すこと。切るのは 20_Univ/2026後期/ のような学期の1段だけでいい。
科目はファイル名で見分ける
科目のフォルダは、最初は作らない。ファイル名を 2026-10-14_信号処理_フーリエ変換 のように「日付_科目名_トピック」で揃えれば、学期フォルダの中でも検索で科目ごとに絞れる。
この命名の理由と授業ノートの見出しはObsidianの授業ノート術に書いた。1科目のノートが増えて一覧が見づらくなってから、その科目だけフォルダに分ければ遅くない。
まずは3つで始めて、最初の学期が終わるときに90_Archiveを作る順番でもいい。空のフォルダを先に量産しないことのほうがずっと効く。
テーマの分類はハブノート(MOC)に任せる
科目やテーマの入口が欲しくなったら、フォルダを掘らずにハブノートを1枚作る。ハブノートは関連ノートへのリンクを並べた目次ノートで、MOC(Map of Contents)とも呼ばれる。
作るタイミングは、同じ話題のノートが3本を超えたときで十分だ。10_Notesに 信号処理まとめ.md を作り、関係するノートへのリンクを並べる。
# 信号処理まとめ
- [[フーリエ変換]]:時間の波形を周波数の成分に分ける。まずここから
- [[畳み込み]]:フーリエ変換すると掛け算になる。上とセットで読む
- [[標本化定理]]:サンプリング周波数の下限。レポートの根拠になる
リンクの横に一言ずつ関係を書くのがコツだ。ただのリンク集より、あとで読み返したときに流れが追える。
ハブノートはフォルダと違って、1つのノートを何枚のハブからでも指せる。フーリエ変換のノートを「信号処理まとめ」と「数学まとめ」の両方に載せても、置き場所は1か所のままだ。
リンクの張り方そのものはObsidianを第二の脳にする②で詳しく扱っている。何をノートの本体に入れるかという中身側の設計は、ツールを問わない話として第二の脳の作り方にまとめた。
PARAやZettelkastenを、そのまま輸入しない
有名な手法は、フォルダの設計図としては大学生の生活と前提が違う。考え方だけ持ち帰り、フォルダは4つのままにする。
| 手法 | どういうものか | そのまま使うと起きること |
|---|---|---|
| PARA | プロジェクト・エリア・リソース・アーカイブの4分類 | 授業が「締切のある課題」と「半年続く学び」の両方で、毎回どちらか迷う |
| Zettelkasten | 1枚1トピックのカードをリンクでつなぐ | そもそもフォルダをほぼ使わないので、フォルダ構成の答えは載っていない |
| Johnny Decimal | 10-19 のような番号の範囲で階層を切る | 番号の設計に時間がかかり、学生のノート量には重い |
PARAとZettelkastenに共通するのは、「分類は軽くして、つながりで管理する」という考え方だ。Johnny Decimalからは、フォルダ名の頭に番号を付けて並び順を固定する工夫だけ借りている(4つの構成の 00_ 10_ がそれだ)。
設定で決める裏方のフォルダ
4つの外に、設定で場所を指定するだけのフォルダがある。自分で開いて選ぶことはないので、数に入れなくていい。
添付ファイルの置き場
ノートに貼った画像やPDFは、放っておくと保管庫の一番上に散らかる。次の手順で専用のフォルダに集める(講義スライドのように学期で片付けるPDFは、エディタにドロップせず 20_Univ の学期フォルダへ直接入れる)。
- 設定 → 「ファイルとリンク」を開く
- 「新規添付ファイルの作成場所」で「以下で指定されたフォルダ」を選ぶ
- 「添付ファイルフォルダのパス」に
99_Attachmentsを入れる
これで、ノートの一覧に画像が混ざらなくなる(2026年9月時点の設定名)。PDFの置き方はObsidianでPDF読み込みに詳しく書いた。
新規ノートの作成場所
初期設定では、リンクから作ったノートが保管庫の一番上にできる。作成先をInboxに固定すると、置き場所を考える場面がなくなる。
- 設定 → 「ファイルとリンク」を開く
- 「新規ノートの作成場所」で「以下で指定されたフォルダ」を選ぶ
- 「新規ノートを作成するフォルダ」に
00_Inboxを入れる
デイリーノートとテンプレート
デイリーノート(日付がタイトルの、その日のメモ)を使うなら、05_Daily を1つ足していい。日付で引くノートは中身での分類が要らないので、フォルダに閉じ込めても迷わない。
テンプレート(ノートの雛形)を使い始めたら、コアプラグイン「テンプレート」の設定「テンプレートフォルダの場所」に Templates を指定する。これも自分で開かない裏方だ。
学期が終わったときの片付け方
この構成は、学期の変わり目に1回だけ手を動かせば回る。
20_Univ/2026前期/を丸ごと90_Archive/へドラッグする- 授業ノートの中に「今後も使う理解」があれば、その部分だけ自分の言葉で10_Notesに書き直す(切り貼りではなく書き直すと、頭に残る)
- 書き直したノートを、該当するハブノートからリンクする
- 新学期のフォルダ
20_Univ/2026後期/を作る
アーカイブしたノートも検索とリンクの対象には残るので、「消すか迷う」という判断は発生しない。迷ったら全部アーカイブでいい。
⚠️ 落とし穴4つ
⚠️ Inboxを溜め場にしない。 00_Inboxは週に1回空にする前提の場所だ。放置すると「未整理の山」が心理的な借金になり、保管庫を開くのが嫌になる。
週1回、Inboxのノートを「10_Notesに移す・20_Univに移す・消す」のどれかに振り分ける。1件あたり数秒で終わる作業だ。
⚠️ 完璧な構成を先に作ろうとしない。 ノートが溜まってから見えてくる分類のほうが必ず正しい。
Obsidianはノートをフォルダ間で動かしても、リンクを自動で書き換える。設定 → 「ファイルとリンク」の「内部リンクを毎回更新する」がオンになっていることだけ確認しておけば、あとから直せる。
⚠️ 「その他」フォルダを作らない。 分類に迷ったときの逃げ場として その他/ を作ると、数か月後には最大のフォルダになっている。迷ったものの行き先は、00_Inboxか10_Notesにすでに用意してある。
⚠️ ファイル名を変えた後のリンク切れを放置しない。 画像を保管庫の外で動かしたり、同期中に名前が変わったりすると、リンクが切れることがある。直し方はObsidianで画像が表示されない・リンク切れにまとめた。
今日の要点
- フォルダはノートの寿命で分ける。
00_Inbox10_Notes20_Univ90_Archiveの4つで足りる - 10_Notesの中は分類しない。20_Univだけ学期フォルダを1段切り、科目はファイル名で見分ける
- テーマの分類はリンクとハブノート(MOC)。同じ話題のノートが3本を超えたらハブを作る
- タグは「要復習」のような状態と、科目タグ1つ程度に絞る
- 添付ファイル・新規ノート・テンプレートの置き場は設定で指定する。学期末は学期フォルダを丸ごとアーカイブへ
育てる知識と日々の生ログを分けて置く、もう一段大きな仕組みはObsidianを第二の脳にする①から連載でまとめている。連載は知識を生活の柱ごとのフォルダに分ける形だが、授業ノートが中心なら10_Notesを分けずにハブノートで束ねるこの記事の形で足りる。
出典(公式ヘルプ・2026年9月28日時点)
- 添付ファイル(新規添付ファイルの作成場所)
- 内部リンク(名前を変えたときのリンクの自動更新と「内部リンクを毎回更新する」)
- タグ(タグに使える文字、ネストされたタグ)
- テンプレート(テンプレートフォルダの場所)
- Obsidianの画面表示の日本語訳(obsidian-translations)(設定項目の日本語表記)
よくある質問
Obsidianのフォルダは何個あればいいですか?
自分で開いて使うフォルダは、00_Inbox・10_Notes・20_Univ・90_Archiveの4つで足ります。フォルダはノートの寿命(とりあえず置く・育てる・学期で終わる・終わった)で分け、テーマの分類はリンクとハブノートに任せます。添付ファイルやテンプレートの置き場は設定で指定するだけの裏方なので、数に入れなくて構いません。
フォルダ・タグ・リンクはどう使い分ければいいですか?
フォルダは「いつまで使うか」で分け、テーマの分類は本文のリンクとハブノート(関連ノートへのリンクを並べた目次ノート)が受け持ちます。タグは、要復習や未読のような「今の状態」と、科目タグ1つ程度に絞ります。ノートは1つのフォルダにしか置けませんが、リンクは何本でも張れるので、複数の科目にまたがる内容もそのまま扱えます。
PARAやZettelkastenをそのまま使ってはだめですか?
考え方は使えますが、フォルダの設計図としてそのまま写すのはおすすめしません。PARAは仕事の「プロジェクト」単位が前提の分類法で、大学の授業はプロジェクトともエリアとも言い切れず、仕分けのたびに迷います。Zettelkastenはフォルダをほぼ使わずリンクでつなぐ手法です。両者に共通する「分類を軽くして、つながりで管理する」という考え方だけ持ち帰るのが現実的です。
授業ごとにフォルダを分けたくなったら、どうすればいいですか?
20_Univの中に学期のフォルダを1段だけ作り、科目はファイル名の「日付_科目名_トピック」で見分けます。1科目のノートが増えて一覧が見づらくなってから、その科目だけフォルダに分ければ十分です。育てていく知識のノート(10_Notes)を科目別フォルダに入れるのは避けます。科目をまたぐ内容の置き場に必ず迷うので、そちらはリンクとハブノートで科目に結びつけます。