Obsidian Smart Composerの使い方【2026年8月版】書き写し卒業

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Obsidian Copilotの設定を済ませると、ノートの要約も構成の指摘もチャットで返ってくるようになる。ここまでは快適だ。ただ、しばらく使うと気づく。提案はチャット欄に出るだけで、ノートに反映するのは自分だということに。良い言い換えが返ってきたらコピーして、ノートに貼って、体裁を直す。AIに書かせたはずなのに、手を動かしているのは結局自分——この「書き写し」の段階で止まっている人に向けて、この記事を書く。

Smart Composerは、この提案とノートの間の距離を詰めるためのコミュニティプラグインだ。ObsidianとAIを連携するで書いた「プラグイン型」連携の深掘りとして、動かすまでの設定と、差分を確認してから適用する流れ、そしてどこまで任せてよいかを書く。プラグインの画面や外部サービスの料金は変わりやすいので、本文は2026年8月時点の内容として読んでほしい。

結論 Smart Composerの核はチャットではなく適用(Apply)だ。AIの提案を差分(変更前と変更後の比較)で確認してから、ノート本体に反映できる。役割分担は明快で、Copilot=ノートを読ませる道具、Smart Composer=ノートを書き換えさせる道具。そして任せるのは体裁と整形までにして、内容の正誤は必ず自分が差分で確かめる。

Smart Composerとは:30秒で全体像

Smart Composerは無料のオープンソースのコミュニティプラグインで、Obsidianのサイドバーにチャット画面を出す。ここまではCopilotと同じだが、特徴は次の3つだ。

  • @でノートを指名して読ませる … チャット入力欄で @ を打つと、Vault内のノートやフォルダを選んで会話の文脈に入れられる。「今開いているノート」に縛られず、複数のノートを材料にできる
  • 提案をノートに適用できる … AIの提案に対して適用の操作をすると、どこがどう変わるかの差分が表示され、確認してから反映できる。チャット欄からのコピペが要らなくなる。これがこのプラグインの本体だ
  • 接続先を選べる … Gemini・OpenAI・Anthropicなど複数の外部サービスに加え、自分のパソコンで動くローカルのモデルにも対応する。Vault横断検索(意味で探す検索)の機能も持つ

⚠️ 画面上のボタン名や配置はバージョンによって変わることがある。「提案→差分→確定」という流れの骨格を掴んでおけば、多少画面が変わっても迷わない。

Copilotとの使い分け:読むか、書き換えるか

同じ「ObsidianのAIチャット」に見える2つだが、出力の行き先が違う。

CopilotSmart Composer
得意なことノートを読ませて聞くノートを書き換えさせる
出力の行き先チャット欄(ノートは変わらない)ノート本体(差分で確認して反映)
典型的な場面要約・穴の指摘・横断検索清書・整形・表記の統一・追記
手が汚れない度提案止まり。反映は手作業反映までプラグインの中で完結

つまり、調べる・考える段階はCopilot、ノートを直す段階はSmart Composerと分けると、それぞれの設定や画面の複雑さに振り回されずに済む。両方入れて共存できるが、⚠️ Vault横断検索の索引は片方だけに作ること。両方で索引を作ると、手間もAPIの無料枠の消費も二重になる。横断検索は先に運用を決めたCopilot側に任せ、Smart Composerは書き換え専門にする、という分担が分かりやすい。

道具を役割で使い分けるイメージ

導入と初期設定:無料で動かすまで

1. プラグインを入れる

設定 → コミュニティプラグイン → 閲覧で「Smart Composer」を検索し、インストールして有効化する。似た名前のプラグインがあるので、⚠️ ダウンロード数と最終更新日を確認してから入れる。ノートを直接書き換えるプラグインだからこそ、開発が続いているものを選びたい。

2. APIキーを設定する

APIキーとは、外部のAIサービスをプラグインのような外部ツールから呼ぶためののことだ。無料で始めるなら、2026年8月時点ではGoogle AI Studioで発行できるGeminiの無料枠のキーが取りやすい。取得手順と注意点はCopilotの設定記事に書いたので、そちらを参照してほしい。すでにCopilot用にキーを取った人は、同じキーをここでも使える。新しく取り直す必要はない。

Smart Composerの設定画面で、接続先(Provider)の一覧からGeminiを選んでキーを貼り、チャット用のモデルを1つ選べば準備完了だ。それ以外の項目は初期値のままでいい。⚠️ キーの扱いはCopilotと同じで、プラグインの設定はVault内のフォルダに保存されることが多い。VaultをGitや同期サービスに乗せている人は、設定ファイルが同期対象に入っていないかを確認しておく。

3. 短いノートで一度試す

チャットを開き、@ で適当な短いノートを指定して「このノートの誤字を直して」と投げてみる。提案が返り、適用の操作で差分が出れば設定は完了だ。

基本の流れ:参照→指示→差分→確定

Smart Composerの使い方は、この4歩の繰り返しに尽きる。

  1. 参照@ で対象のノートを会話に入れる。複数指定してもいい
  2. 指示 … 「何を・どう変えるか」を具体的に言う。「良い感じにして」ではなく「見出しを付けて箇条書きを整理して。本文の言い回しは変えないで」のように、変えてほしくない部分も言うのがコツだ
  3. 差分 … 返ってきた提案を適用の操作に進めると、変更前と変更後の比較が表示される
  4. 確定 … 差分を上から全部読んでから反映する。おかしい箇所があれば確定せず、チャットで指示を直してやり直す

⚠️ いちばんやってはいけないのは、差分を読まずに確定することだ。それは「ノーチェックでAIにノートを書き換えさせる」のと同じで、気づかないうちに数式の記号が変わっていたり、微妙なニュアンスの文が削られていたりする。差分確認はこのプラグインが用意してくれた安全装置なのだから、素通りしたらもったいない。

差分を赤ペンで確認するイメージ

学生の使いどころ3つ

1. 講義ノートの清書

授業中に走り書きしたノートを @ で読ませ、「見出し構造を付けて整理して。内容は足さないで」と指示する。書きなぐりの箇条書きが、復習に耐える形に整う。講義ノートのDB化の運用と組み合わせると、「授業中は速度優先で書く→後でAIに整形させる→差分を見ながら復習する」という流れが作れる。差分を読むこと自体が復習になるのがこの使い方の良いところだ。

2. 表記ゆれ・体裁の統一

「このノートの『サーバ』を『サーバー』に統一して」「英単語の前後に半角スペースを入れて」のような機械的な修正は、AIに任せて差分で確認するのがいちばん速い。手作業の置換と違って文脈を見てくれる一方、⚠️ 機械的な作業ほど取りこぼしや過剰な修正が混ざりやすい。差分の見やすさが活きる場面でもある。

3. 復習用の要約セクションの追記

ノートの末尾に「3行まとめ」や「想定される試験の問い」を追記させる。本文を書き換えるのではなく足すだけなので、失敗してもダメージが小さく、最初の練習台に向いている。

どこまで任せるか:3段階の線引き

便利になるほど「どこまで任せてよいか」の線引きが要る。作業の種類で分けるのが実用的だ。

  1. 体裁・整形・表記統一 → 任せてよい。差分をざっと確認すれば足りる。内容が変わらない作業はAIの得意領域だ
  2. 要約・言い換え・追記 → 任せてよいが、差分を精読する。内容に踏み込む作業は、事実と違うことをもっともらしく書く失敗がありえる。特に数式・定義・固有名詞は自分の目で照合する
  3. 課題・レポートの本文を書かせる → 任せない。提出物の成果物は自分で書くのが前提で、AIに頼むのは指摘や整形までにしておくのが、提出のルール上も学習の上でも安全だ

もう1つの線引きはプライバシーだ。外部のAIサービスを接続している場合、@ で読ませたノートの中身は提供元のサーバーへ送られる。外に出せない内容を含むノートは読ませない、確実にしたければローカルのモデルに切り替える、という考え方はCopilotの記事で書いた3段階の線引きと同じだ。Smart Composerはローカルモデル接続に対応しているので、最後の逃げ道があるのは心強い。

任せる範囲の線引きをするイメージ

動かないときのチェック3つ

  • キーの貼り間違い・空白混入 … 前後に空白が入っていないか。発行し直して貼り直すのが早い
  • 接続先とモデルの不一致 … Geminiのキーを入れたのに別サービスのモデルを選んでいる組み合わせ違い。接続先ごとにモデルを確認する
  • 無料枠の上限 … 無料枠には回数の上限がある。Copilotと同じキーを使い回している場合、2つのプラグインで枠を分け合っていることを忘れずに。少し待つか、公式の料金ページで現在の枠を確認する

今日の要点

  • Smart Composerの核は適用(Apply)。提案を差分で確認してからノート本体に反映でき、チャットからの書き写しが要らなくなる
  • 使い分けはCopilot=読む、Smart Composer=書き換える。両方入れてよいが、Vault横断検索の索引は片方だけに作る
  • 無料で始めるならGeminiの無料枠のキー(2026年8月時点。条件は公式で確認)。Copilotで取ったキーを使い回せる
  • 基本の流れは参照→指示→差分→確定。⚠️ 差分を読まずに確定しない。変えてほしくない部分まで指示するのがコツ
  • 任せるのは体裁・整形まで。内容に踏み込む作業は差分を精読し、課題の本文は任せない

Copilot側の設定がまだの人はObsidian Copilotの設定から、プラグイン型以外も含めた連携の全体像はObsidianとAIを連携するから読んでほしい。

よくある質問

Smart Composerは無料で使えますか?

プラグイン自体は無料のオープンソースで、導入に費用はかかりません。ただしAIを呼ぶ部分は接続先のサービス次第で、外部のAIサービスを使うならそのAPIキーと利用料が必要です。2026年8月時点ではGoogleのGeminiに無料枠付きのAPIキーがあり、これを接続すれば課金なしで始められます。無料枠の条件は変わることがあるので、始める前に公式の料金ページを確認してください。自分のパソコンでローカルにモデルを動かす構成にも対応しており、その場合は外部への支払いは発生しません。

Copilotと両方入れてもいいですか?どちらか1つに絞るべきですか?

両方入れて共存させて問題ありません。役割が違うからです。Copilotはノートを読ませて要約や指摘をチャット欄に返させる「読む」道具、Smart Composerは提案を差分で確認してノート本体に反映する「書き換える」道具として使い分けると、それぞれの強みが活きます。ただし、どちらもVault横断検索用の索引を持てるので、両方で索引を作ると手間もAPIの消費も二重になります。横断検索はどちらか一方に決めておくのがおすすめです。

AIがノートを勝手に書き換えてしまうことはありませんか?

基本の操作フローでは、AIの提案はまずチャット側に出て、適用の操作をした段階で変更前と変更後の差分が表示され、確定して初めてノートに反映されます。つまり確認を挟む設計になっており、黙って書き換えられる作りではありません。とはいえ、差分を読まずに確定すれば事実上ノーチェックで書き換えたのと同じです。Obsidianはファイルがローカルにあるので、心配ならGitやバックアップと組み合わせて、いつでも前の状態に戻せるようにしておくと安心して使えます。