Obsidian Excalidrawの使い方|編集できる図をノートに埋め込む【2026年10月版】

Obsidian Excalidrawの使い方|編集できる図をノートに埋め込む【2026年10月版】

実験レポートの装置図、電子回路の回路図、講義の概念図。よくあるのは別の作図アプリで描いて、スクリーンショットをノートに貼る運用だ。これで一応は残るが、あとで装置を1つ追加したくなった瞬間に詰む。

結論 図は「画像として貼る」のではなく、「編集できるファイルとして埋め込む」。Excalidrawで描いた図はVault内のファイルなので、ノートに埋め込んだあとでも元の図を開いて直せば、埋め込み先の表示も自動で変わる。描き直しの手間がなくなるので、「とりあえず雑に描いて、あとで直す」が可能になる。

目次 / INDEX

Excalidrawとは:Vaultの中に「編集できる図」を置く

スクショで貼った図はただの画像なので、元データを探して、直して、書き出して、貼り直すという手間が毎回発生する。元データが見つからなければ描き直しだ。

Obsidianには、この問題を解決するExcalidraw(エクスカリドロー)というプラグインがある。手描き風の図をVault(Obsidianのノート置き場)の中で描き、あとから編集できる形のままノートに埋め込める。

Excalidrawは、もともとWebで人気の手描き風作図ツールで、それをObsidianの中で使えるようにしたコミュニティプラグイン(有志が開発する追加機能)がある。無料で、Obsidianのプラグインの中でも利用者の多い定番だ。

描けるのは、四角・丸・矢印・直線・フリーハンド・テキストといった基本要素。すべて手描き風のゆるい線で描画されるのが特徴で、これが実は理系ノートと相性がいい。

きっちりしたCADのような見た目だと「完成品」を作りたくなってしまうが、手描き風なら授業中の板書レベルの雑さで描いて許される空気がある。まず雑に描く、が続けるコツだ。

大事なのはファイルの扱いで、描いた図は .excalidraw.md という拡張子のファイルとしてVaultに保存される。実体はMarkdownファイルの一種なので、ノートと同じ場所に、ノートと同じように置ける。別アプリの独自データフォルダに図が散らばる、ということが起きない。

内容は2026年9月時点のものだ。

導入:コミュニティプラグインを入れる

手順は3分で終わる。

  1. 設定を開き、「コミュニティプラグイン」で制限モードをオフにする
  2. 「閲覧」からプラグイン一覧を開き、Excalidraw を検索してインストール
  3. 有効化する

⚠️ コミュニティプラグインはObsidian本体とは別に更新されるため、画面や機能はバージョンで変わることがある。この記事と表示が多少違っても、流れは同じなので落ち着いて探せばいい。

有効化すると、左のリボンにExcalidrawのアイコンが増える。クリックすれば白紙が開く。

プラグインの画面とコマンドは英語だけだ(日本語の翻訳ファイルが空のまま)。コマンドパレットで「Excalidraw」と打ち、次の2つを覚えておけば足りる。

  • Create new drawing - IN A NEW TAB:新しいタブに白紙の図を作る
  • Create new drawing - IN A NEW TAB - and embed into active document:図を作ると同時に、いま開いているノートへ埋め込む。授業ノートを書きながら図を足すなら、作成と埋め込みが1回で済むので速い

最初の1枚:覚える操作は少ない

画面上部(または左側)のツールバーから道具を選んで描くだけだ。最初に覚えるのはこれだけでいい。

  • 四角・丸・矢印・テキスト … 図のほとんどはこの4つで描ける
  • 図形をつなぐ矢印 … 図形の縁から矢印を伸ばすと図形に接続され、図形を動かしても矢印がついてくる。ブロック図はこの機能でほぼ完結する
  • ドラッグで選択して移動・コピー … レイアウトはあとから何度でも直せる

例えば実験の装置図なら、装置1つを四角+テキストで置き、配線や流れを矢印でつなぐ。10分もあれば形になる。

見た目の細部を追い込む必要はない。あとから直せるのだから、今日は今日の理解が伝わる程度でいい。

Obsidian Excalidrawで板書のように図を描く

ノートに埋め込む:ここがこの記事の本題

描いた図を授業ノートやレポートの下書きに入れるには、埋め込み記法を使う。ノート側に次のように書くだけだ。

![[実験装置図.excalidraw]]

これで、ノートを閲覧モードで開くと図がその場に表示される。画像を貼ったのと見た目は同じだが、中身は決定的に違う。

表示されているのはVault内のExcalidrawファイルそのものなので、元の図を開いて修正すれば、埋め込んでいる全ノートの表示が自動で更新される。同じ装置図を「実験ノート」と「レポート下書き」の両方に埋め込んでいても、直すのは1箇所でいい。

表示が大きすぎるときは、幅をピクセルで指定できる。

![[実験装置図.excalidraw|400]]
![[実験装置図.excalidraw|400|left]]

2行目のように |left などを足すと、配置も指定できる。READMEには 幅x高さ で大きさを決める書き方や、right-wrap(右寄せで文章を回り込ませる)も載っている。

修正したいときは、埋め込み元のファイルを開いて描き直すだけ。ファイル名で検索してもいいし、埋め込み表示から元ファイルへ飛ぶ操作も用意されている。「元データどこだっけ」がVaultの中で完結する。

提出用にレポートへ図を入れたい場合は、PNGやSVGに書き出す機能を使う。ここで運用のコツが1つある。

書き出した画像は編集できない「ただの絵」なので、正本はあくまで .excalidraw ファイル、書き出しは共有のときだけと決めておくことだ。これを守れば「編集できる図が常に手元にある」状態が崩れない。

提出用の画像を自動で書き出す(Auto-export)

レポートに貼る画像が毎回必要なら、設定の「Auto-export PNG」か「Auto-export SVG」をオンにする。図と同じフォルダに同じ名前の画像ができ、図を直すたびに画像も更新される。

  • Keep the .SVG and/or .PNG filenames in sync with the drawing file:図の名前を変えたり消したりすると、書き出した画像も一緒に変わる
  • Export both dark- and light-themed image:ダーク版とライト版の2枚を書き出す
  • 図ごとに変えたいときは、そのファイルのプロパティに excalidraw-autoexport を書き、none・both・svg・png のどれかを入れる

どちらも既定はオフだ。正本はあくまで図のファイルで、画像は自動でついてくる写し、という関係になる。

日本語の文字と手書き風フォント

Excalidrawの手書き風の日本語フォントは、既定ではインターネットから読み込まれる。プラグインの設定の説明にそう書かれている(2026年9月時点)。電車の中などオフラインで図を開くと、文字が別のフォントで表示されることがある。

オフラインでも同じ字体にしたいなら、フォントをVaultに入れる。

  1. 設定の「Offline CJK font support」の説明にあるリンクから、フォントのzipをGitHubでダウンロードする
  2. 展開して、Excalidraw/CJK Fonts のようなVault内のフォルダに入れる(Vaultの直下には置かない)
  3. 「CJK Font Folder」にそのフォルダを指定し、「Load Japanese fonts from file at startup」をオンにする
  4. Obsidianを再起動する

⚠️ フォントの読み込みはObsidianの起動を遅くする。公式のObsidian Syncでフォントも同期するなら、Syncの設定で「他のすべてのタイプのファイルを同期」をオンにする必要がある。

既定の設定で知っておくこと

入れた直後の設定は、プラグインのソースコードで見るとこうなっている(2026年9月時点)。

設定既定値意味
保存先フォルダExcalidraw新しい図がVault直下の Excalidraw フォルダに入る
ファイル名Drawing +日時名前は作ったあとで変える
拡張子.excalidraw.mdMarkdownとして扱われ、図の中の文字も検索できる
Compress Excalidraw JSON in Markdownオン図のデータを圧縮して、検索結果とファイルを軽く保つ
自動保存の間隔パソコン60秒・スマホ30秒編集中は一定間隔で保存される
Auto-export PNG / SVGオフ画像の書き出しは手動

保存先は、授業ごとのフォルダに変えるより Excalidraw のままにして、ノートから埋め込むほうが迷わない。図の置き場所が1か所に決まっていれば、「どこに描いたか」を探さずに済む。

Canvasとの使い分け:白紙に描くか、ノートを並べるか

「二次元の平面に何かを置く」という意味で、Excalidrawは標準機能のCanvasと似て見える。実際、どちらを使うべきか迷う人は多い。区別は一言で済む。

Canvasは既存のノートを平面に配置して考える場所。Excalidrawは白紙に図そのものを描く場所だ。

CanvasExcalidraw
導入標準機能・設定不要コミュニティプラグイン
主役Vaultにある既存のノート・カードその場で描く図形・矢印・テキスト
得意なこと構成を練る・全体像を俯瞰する装置図・回路図・概念図を描く
成果物考えた過程(出口はノートへの変換)図そのもの(ノートに埋め込んで使う)
ノートへの埋め込み向いていない![[〜.excalidraw]] で本領発揮

レポートの構成をカードで並べ替えたいならCanvas、そのレポートに載せる装置図を描きたいならExcalidraw。「考える」と「描く」で道具を分けると覚えればいい。Canvas側の使い方はObsidian Canvasの使い方に書いた。

理系学生の使いどころ3つ

1. 実験の装置図

実験当日は雑にブロックと矢印だけ描いておき、レポートを書く段階で名称や寸法を足す。その日の記録とあとからの清書を、同じ1枚の上でやれるのがスクショ貼り運用との差だ。

授業ノートの中に埋め込んでおけば、装置図と実験条件のメモが1つのノートに揃う。ノートの組み立て方はObsidianで授業ノートにまとめている。

2. 回路図・ブロック図

素子を四角で置き、接続を線でつなぐ。図形に接続された線は素子を動かしても追従するので、配置の試行錯誤が苦にならない。本格的な回路CADの代わりにはならないが、講義ノートやレポートに載せる説明用の回路図なら十分すぎる。

3. 講義の概念図

「この概念とこの概念がこう関係する」という構造は、文章より図のほうが一目で伝わる。矢印にテキストを添えて関係を書き込めば、試験前に見返すときの復習効率が変わる。

図の中に数式を入れたい場面も出てくるが、ノート本文側の数式はLaTeX記法で書ける。書き方はObsidianで数式を書くを参照してほしい。

Excalidrawで講義の概念図とメモをまとめる

⚠️ 落とし穴3つ

⚠️ 書き出した画像を正本にしない。 PNGに書き出してそれをノートに貼ると、スクショ貼り運用と同じ「直せない図」に逆戻りする。ノートへの埋め込みは必ず ![[〜.excalidraw]] 形式で行い、画像書き出しは提出・共有のときだけに限る。

⚠️ スマホでの細かい作図は期待しない。 モバイル版Obsidianでも図は表示できるが、小さい画面で図形の配置や接続をいじるのはつらい。外では眺める・軽く手描きメモを足す程度にして、作図はPCでやると割り切ったほうがいい。

⚠️ スマホでアプリをスワイプで閉じると、直前の変更が消えることがある。 設定の説明によると、Obsidianを強制終了したときは保存できず、アプリを切り替えている間にOSがObsidianを閉じた場合も同じだ。描き終えたら、ほかのタブに移るなどして保存させてから閉じる。

⚠️ コミュニティプラグインである以上、仕様は変わる。 標準機能のCanvasと違い、Excalidrawは有志の開発だ。更新で操作や表示が変わることもあれば、理論上は開発が止まる可能性もある。

ただし図のファイルはVault内に残り、PNG/SVGへの書き出しという逃げ道もあるので、描いた資産が消えるわけではない。過度に恐れる必要はないが、「2026年8月時点の情報」という前提だけ忘れないでほしい。

今日の要点

  • 図をスクショで貼ると直せない。Excalidrawならあとから編集できる形のままノートに埋め込める
  • 埋め込みは ![[図の名前.excalidraw]]。元の図を直せば埋め込み先の表示も自動で更新される
  • Canvasは既存ノートを並べて考える場所、Excalidrawは白紙に図を描く場所。「考える」と「描く」で使い分ける
  • 使いどころは装置図・回路図・概念図。手描き風なので雑に描き始めてよく、清書は同じファイルの上で続きからやれる
  • 画面とコマンドは英語。「Create new drawing - IN A NEW TAB - and embed into active document」で作成と埋め込みが1回で済む
  • 日本語の手書き風フォントは既定でネットから読み込む。オフラインで使うならフォントをVaultに入れる
  • ⚠️ 正本は .excalidraw ファイル・スマホ作図は割り切る・コミュニティプラグインの仕様変更には留意(2026年9月時点)

図が入るようになったら、次はノート本文の数式だ。手書きの数式をきれいに残す方法はObsidianで数式を書くにまとめている。

出典(公式ドキュメント・2026年9月27日時点)

Obsidianの全体像 Obsidianの使い方|目的別の完全ガイド 始め方から授業ノート・数式・同期・AI連携まで、目的別に次の一手をまとめた入口の記事。 読む →

よくある質問

Excalidrawは無料ですか?導入は難しいですか?

無料です。Excalidrawはコミュニティプラグイン(有志が作る追加機能)なので、設定の「コミュニティプラグイン」から制限モードをオフにし、検索してインストール・有効化する手順が必要です。クリック数回で終わり、難しい操作はありません。ただしObsidian本体の標準機能ではないため、アップデートで挙動が変わる可能性がある点だけ頭に入れておいてください。この記事の内容は2026年8月時点のものです。

標準機能のCanvasとはどう使い分けますか?

Canvasは既存のノートやカードを平面に並べて「考えを整理する」ための機能で、Excalidrawは白紙に「図そのものを描く」ためのプラグインです。レポートの構成を練る・試験範囲を俯瞰するならCanvas、実験の装置図・回路図・概念図のように、それ自体が成果物になる図を描いてノートに埋め込みたいならExcalidrawが向いています。両方入れても競合せず、役割がはっきり分かれています。

描いた図はObsidianの外でも使えますか?

使えます。描いた図はPNGやSVGといった一般的な画像形式に書き出せるので、レポートに貼る・スライドに載せるといった共有は問題ありません。ただし書き出した画像はもう編集できない「ただの絵」です。正本(マスター)はあくまでVault内のExcalidrawファイルとして残し、提出や共有のときだけ書き出す、という運用にすると、あとから直せる状態を保てます。

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