有線LANと無線LAN、どっちが速い?一人暮らしは「机だけ有線」で足りる理由【2026年10月版】

有線LANと無線LAN、どっちが速い?一人暮らしは「机だけ有線」で足りる理由【2026年10月版】

夜のオンラインゲームでラグる。Zoomの声が途切れる。「有線にすれば直る」とはよく聞くけど、賃貸の部屋にケーブルを這わせてまでやる価値があるのかは分かりにくい。

結論 同じルーターなら、一番速いときの数字は有線もWi-Fiも回線で頭打ちになる。差が出るのは、壁・距離・電子レンジで落ちたときと、遅延のブレ。オンラインゲーム・ビデオ会議・大容量ダウンロードをする机だけ有線にして、スマホはWi-Fiのままでいい。ただしフレッツ光のマンションタイプでVDSL方式なら、有線にしても100Mbpsは超えない。

目次 / INDEX

速さは「上限」と「ブレ」で分けて考える

「どっちが速いか」には、2つの質問が混ざっている。一番速いときにどこまで出るかという上限の話と、ゲーム中に急に遅くなるかというブレの話だ。

上限は回線で決まる。一人暮らしの光回線は1Gbpsのプランが多く、多くのWi-Fi 6のスマホでも理論値は1Gbpsを上回る。規格ごとの数字はWi-Fi 6とWi-Fi 7の違いに表がある。

同じルーターで測ると、有線は9割台、Wi-Fiの5GHzは約4〜7割

NECは、同じルーターで有線とWi-Fiの実測値を公開している。測定は「電波干渉や距離による速度低下のない」NECの測定環境でのもので、部屋での値ではないと注記つきだ。

機種5GHzの実測/理論値2.4GHzの実測/理論値有線の実測/ポート速度
WX1500HP901/1201Mbps214/300Mbps930/1000Mbps
WX3000HP21580/2402Mbps485/574Mbps940/1000Mbps
WX5400HP1853/4804Mbps448/574Mbps930/1000Mbps

実測を理論値で割ると、有線は930÷1000で93%、940÷1000で94%になる。Wi-Fiの5GHzは901÷1201で75%、1853÷4804で39%と、機種で幅がある。この割合はNECの公表値を筆者が割り算したもので、NEC自身が書いている数字ではない。

測り方も、Wi-FiはIperf(UDP)、有線はFTPでのファイル転送と違うので、割合は目安として見てほしい。

理論値が4804MbpsのWX5400HPでも、実測は1853Mbpsだった。Wi-Fiの理論値は有線ポートの1Gbpsより大きく見えるが、出る速さは別物だと分かる。1Gbps回線なら、好条件のWi-Fiと有線はどちらも回線の上限付近で並ぶ。

米国の50世帯以上を2年近く測った2023年の研究では、800Mbpsを超える回線の家で、家の中のWi-Fiが毎回ボトルネックになっていた。日本のワンルームにそのまま当てはめられる話ではないが、回線が速いほどWi-Fi区間が足を引っ張りやすいことは読み取れる。

遅延のブレは数字で一般化できない

有線とWi-Fiのping(応答にかかる時間)の差は、環境で大きく変わる。一般的な数字は出せない。代わりになるのが、大学キャンパスでの実測だ。

2016年の論文では、大学の47台のWi-Fi親機を2か月測ったところ、TCPパケットの50%超でWi-Fi区間だけで20msを超える遅延が出ていた。10%は100ms超だった。利用者の多いキャンパスの値なので一人暮らしの部屋と同じにはならないが、混んだWi-Fiのブレの例にはなる。

有線にすると、このWi-Fi区間そのものがなくなる。ビデオ会議の目安として、Microsoft 365の接続テストはジッター(遅延のブレ)30ms未満、パケット損失1%未満、遅延100ms未満を基準にしている。声がロボットみたいになる症状も、Microsoftの資料ではジッターやパケット損失の可能性として挙げられている。

Wi-Fiが遅くなる原因

Wi-Fiが落ちる原因は、だいたい次の3つに集まる。有線は電波を使わないので、どれも起きない。

壁と距離

5GHz帯は速いぶん、壁や天井などの障害物に弱い。バッファローのFAQでも、金属・コンクリート・土壁・断熱材などが電波を通さない、または減衰させると書かれている。

壁1枚でどれだけ落ちるかは素材と構造で変わり、一般化した数字は公的資料にもメーカー資料にも見つからなかった。ワンルームならルーターと机が同じ部屋なので影響は小さいが、1Kでキッチン側にルーターを置くと、ドア1枚と距離が挟まる。

電子レンジとBluetooth

2.4GHz帯は、電子レンジ・Bluetooth・コードレス電話と同じ帯域を使う。総務省の東海総合通信局は、電子レンジが「2.4ギガヘルツ帯の非常に大きなノイズを出す」ので、使用中は無線LANが不安定になることがあると説明している。

一人暮らしの部屋は電子レンジと机が近い。夕飯を温めている間だけ切れるなら、5GHzにつなぎ直すか、有線にするかの二択になる。

2.4GHzにつながっている

端末がいつの間にか2.4GHzにつながっていることがある。Appleの仕様表では、MacBook Air(M5)のWi-Fiのリンク速度は5GHz・6GHzで2400Mbps、2.4GHzでは229Mbpsだ。

229÷2400で、リンク速度だけで約10分の1になる計算になる。ルーターの設定で2.4GHzと5GHzの名前を分けているなら、PCとゲーム機は5GHz側に固定しておく。

夜だけ遅いのは有線でも直らない

夜だけ遅くなる症状は、Wi-Fiではなく回線側の混雑のこともある。古い接続方式(PPPoE)の設備の渋滞が原因なら、ケーブルをつないでも迂回できない。IPv6(IPoE)対応のルーターと契約の話は大学生におすすめのWi-Fiルーター10選のIPoEの節に書いた。

有線にしても速くならない3つのケース

ケーブルを買う前に確かめたいのがここだ。有線にしても数字が変わらないケースが3つある。

フレッツ光のマンションがVDSL方式・LAN配線方式

マンションタイプの光回線は、建物の中の配線が3通りある。NTT東日本の説明では、光ファイバーを各戸まで引く光配線方式、既存の電話線を使うVDSL方式、建物内のLAN配線を使うLAN配線方式だ。

NTT西日本の仕様では、VDSL方式とLAN方式の宅内機器のLANポートは100BASE-TX/10BASE-Tで提供される。壁の差し込み口から先が100Mbpsなので、有線にしてもWi-Fiにしても上限は100Mbpsのままだ。同じ電話線でも、auひかりのマンションタイプGのようにG.fastという方式で最大664Mbps出る回線もあり、電話線だから100Mbps止まりとは限らない。

見分け方は、壁の差し込み口が電話のモジュラージャックの形で、VDSLの機器が置いてあるかどうか。光配線方式への切り替えは、NTT東日本の案内では管理会社の了承のもとで建物共用部に装置を入れる必要がある。回線ごと見直すなら、縛りなしで選ぶ一人暮らしのネット回線6選に契約ごとの速さをまとめた。

LANアダプタがUSB 2.0接続

LANポートのないノートPCで使うUSBアダプタは、USB側の速度が上限になる。I-O DATAのUSB 2.0接続のアダプタは、公式ページに「USB 2.0(480Mbps※理論値)での接続となる為、転送速度は接続インターフェイスに依存します」と明記されている。

バッファローも、旧製品ではUSB 2.0がボトルネックになってギガビットのLANポートを活かしきれていなかったと書いている。買うならUSB 3.x(USB-C)接続のものを選ぶ。USBの規格名と速度の対応はUSB-Cの規格の違いで一枚にまとめてある。

ルーターのLANポートが1Gbps

10Gbps回線を引いても、ルーターの有線ポートが1Gbpsならそこが天井だ。Wi-Fi 7の入門機、たとえばTP-LinkのArcher BE3600は、公式仕様でWANもLANも1Gbpsになっている。

NTT東日本は10Gbpsで使うために「LANポートが10GBASE-TかつLANケーブルがカテゴリ6a以上」を推奨している。ケーブルのカテゴリの話はLANケーブルのおすすめ9選に任せるが、通り道の一番遅い所で止まるという原則はケーブルでも同じだ。

有線にするもの・Wi-Fiでいいものを用途で分ける

全部を有線にする必要はない。ブレに弱い用途だけ有線にする。

用途有線/Wi-Fi理由
オンラインゲーム(PS5・Switch 2)有線速さよりブレが効く。PS5は1000BASE-Tの端子を持つ
Zoom・オンライン授業有線が無難必要な帯域は小さく、途切れの原因はブレとパケット損失
ゲームの大容量ダウンロード有線2.4GHzに落ちると所要時間が数倍になる
家の中のNAS・ファイル転送有線回線に関係なく、LANの速さがそのまま効く
スマホ・タブレット・調べ物Wi-Fiそもそも有線にできない。帯域も小さい

オンラインゲームはPS5もSwitch 2も有線にできる

PS5(通常版・スリム)とPS5 Proは、どちらもEthernet(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)の端子を本体に持つ。Wi-FiはPS5がWi-Fi 6、ProがWi-Fi 7だ。

Switch 2は少し事情が違う。公式仕様では「TVモード時のみ、有線LAN接続も可能」で、LAN端子はドックの側にある。携帯モードやテーブルモードではWi-Fi 6で遊ぶことになる。

ドックのLAN端子の速度(100BASE-TXか1000BASE-Tか)は、公式ページでは確認できなかった。

Zoomは速さより「途切れないこと」

Zoomが必要とする帯域は、公式ヘルプでは1080pのグループ通話で上り3.8Mbps・下り3.0Mbpsだ。1Gbps回線の数百分の1で済む。

それでも声が途切れるのは、速さが足りないからではなく、ブレとパケット損失のせいである場合が多い。Microsoft 365の目安(ジッター30ms未満・損失1%未満)を切るには、Wi-Fi区間をなくす有線がいちばん確実だ。

大容量ダウンロードは2.4GHzに落ちると何倍もかかる

仮に50GBのゲームを落とすとする。1GBを10億バイトとして計算すると、有線930Mbpsなら約7分、好条件の5GHz(901Mbps)でもほぼ同じ約7分だ。

ところが2.4GHz(214Mbps)に落ちると約31分になる。これはNECの測定室の値で割った上限の計算で、実際は回線の実効速度や配信サーバー側でも決まる。

家の中でNASやPCの間で大きなファイルを動かすなら、回線の速さに関係なく有線が効く。この話はNASと自宅サーバーはどっち?に書いた。

MacBookを有線にする方法

現行のMacBook AirとMacBook Proの仕様に、Ethernetポートはない。僕が使っているMacBook Pro(M5 Pro)も、端子はThunderbolt 5(USB-C)とHDMI・SDXC・MagSafeで、LANの差し込み口はない。

Apple公式は、USB-C - Ethernetアダプタの例としてBelkinのUSB-C to 2.5Gb Ethernet Adapterを案内している。Apple Storeでは4,800円(2026年10月7日時点)で、10/100/1,000/2,500Mbpsに対応する。Apple以外のブランドの製品なので、Appleの製品保証はつかないと同じページに注記がある。

アダプタかハブか

有線LANだけ足したいならアダプタで足りる。モニター・SDカード・給電もまとめたいなら、LAN端子付きのハブのほうがケーブル1本で済む。

LAN付きのハブと、据え置きで全部まとめるドッキングステーションとの違いは、大学生におすすめのUSB-Cハブ7選にまとめて書いた。ハブのLAN端子はギガビット(1Gbps)か2.5GbEで、1Gbps回線ならどちらでも天井は回線だ。

有線とWi-Fiを両方つないだらどっちが使われる?

Macは「サービスの順序」で決まる。Appleの説明では、複数の接続があるときリストの一番上から順に試す仕組みで、ネットワーク設定の「サービスの順序を設定」から並べ替えられる。アダプタ経由のときは「[製造元名] USB-C LAN」のような名前のサービスを探す。

Windows 10以降は自動メトリック(経路の優先度を示す数値で、小さいほど優先)で決まる。Microsoftの表では、200Mbps以上2Gbps未満の有線が25、500Mbps以上2Gbps未満の無線LANが30なので、有線が優先されやすいと読める。これは表からの読み取りで、Microsoftが明言しているわけではない。

賃貸でLANケーブルを引くときの注意

ケーブルを床に這わせたり、ドアの下を通したりするだけなら、部屋に穴は開かない。問題になるのは、壁に留める段階だ。

国土交通省の原状回復ガイドラインでは、画鋲やピンの穴(下地ボードの張替えが不要な程度)は通常の損耗とされ、貸主の負担に分類されている。一方で、重いものを掛けるためのくぎ穴・ネジ穴(下地ボードの張替えが必要な程度)は、通常の使用を超えると判断されることが多いとしている。

配線モールをネジで留めるのは避けて、粘着式にとどめるのが無難だ。ただし粘着テープの跡の扱いはガイドラインの中では確かめられなかったので、契約書の特約と管理会社に確かめてから貼る。原状回復の線引きは契約で変わる。

ルーターを机の近くに置けば配線は1本で済む

ONU(光回線の終端装置)からルーターまでの位置は変えにくいが、ルーター自体は机の近くに置ける。そうすればPCやゲーム機までのLANケーブルは1〜2mで足りる。

ドアの下を通す区間だけ厚さ1.4〜1.5mmのフラットケーブルにして、それ以外は丸いスタンダードタイプを使う。形状ごとの違いはLANケーブルのおすすめ9選に、机の裏でのまとめ方はデスクのケーブル整理グッズおすすめ8選にある。

有線とWi-Fiの比較表

軸有線LANWi-Fi(無線LAN)
理論上の上限ポートの規格で決まる(1000BASE-Tで1Gbps、2.5GbE、10GBASE-T)端末とルーターのリンク速度(MacBook Air M5は5GHzで2400Mbps、2.4GHzで229Mbps)
実際に出る速さ(NECの測定室)930〜940Mbps(1Gbpsポート)5GHzで901〜1853Mbps、2.4GHzで214〜485Mbps
1Gbps回線での天井回線回線とリンク速度の低いほう
遅延のブレWi-Fi区間がない干渉・混雑で増える(数字は環境しだい)
壁・距離ケーブルが届けば影響なし5GHz・6GHzは壁や天井に弱い
電子レンジ・Bluetooth影響なし2.4GHz帯が干渉を受ける
フレッツ光マンションのVDSL・LAN配線方式100Mbpsが上限同じく100Mbpsが上限
配線の手間ケーブルを机まで引く置くだけ
追加で要るものLANケーブル。LANポートのないPCはアダプタかハブなし
PS5/PS5 Pro1000BASE-TWi-Fi 6/Wi-Fi 7
Switch 2TVモード時のみ(ドックのLAN端子)Wi-Fi 6

よくある質問

2.5GbEや10GbEの機器は要る?

1Gbps回線なら要らない。10Gbps回線を契約していて、ルーターのLANポート・PC側のポート・Cat6A以上のケーブルが全部そろったときだけ意味がある。

Switch 2は携帯モードで有線にできる?

できない。公式仕様で有線LANは「TVモード時のみ」で、LAN端子はドックにある。

Wi-Fi 7のルーターにすれば有線は要らない?

速さの上限は、1Gbps回線なら変わらない。Wi-Fi 7が効くのは端末も7対応のときで、電子レンジや壁の影響は規格を上げても残る。規格ごとの違いはWi-Fi 6とWi-Fi 7の違いで比べた。

まとめ

同じ回線なら、一番速いときの数字は有線もWi-Fiも回線で頭打ちになる。差が出るのは落ちたときとブレで、ブレに弱い用途だけ有線にすれば十分だ。

ゲーム機とPCのある机だけケーブルを引き、スマホはWi-Fiのまま。ケーブルはLANケーブルのおすすめ9選のCat6Aから選び、夜の遅さが気になるならルーターごと大学生におすすめのWi-Fiルーター10選で見直す。有線にする前に、壁の差し込み口がVDSLでないかだけ確かめておいてほしい。

出典(2026年10月7日時点)

よくある質問

有線LANと無線LANはどっちが速い?

同じルーターなら、出る速さは有線のほうが理論値に近い。NECの実測では1GbpsのLANポートで930Mbps、Wi-Fiは干渉のない測定室でも5GHzで理論値の約4〜7割(39〜75%)だった。ただし1Gbpsの光回線なら、一番速いときの数字はどちらも回線で頭打ちになる。差が出るのは、壁や距離や電子レンジで落ちたときと、遅延のブレだ。

一人暮らしなら全部有線にしたほうがいい?

机の上だけでいい。オンラインゲーム・ビデオ会議・大容量ダウンロードをするPCやゲーム機を有線にして、スマホやタブレットはWi-Fiのままにする。ルーターを机の近くに置けば、ケーブルは1本で済む。

有線にしたのに100Mbpsしか出ないのはなぜ?

フレッツ光のマンションタイプで配線がVDSL方式かLAN配線方式だと、宅内の機器のLANポートが100BASE-TXで提供される。この上限は有線でもWi-Fiでも変わらない。USB 2.0接続のLANアダプタを使っている場合も、480Mbpsで頭打ちになる。

MacBookにLANの差し込み口がないときは?

USB-C接続の有線LANアダプタか、LAN端子付きのUSB-Cハブを使う。Apple公式はBelkinのUSB-C to 2.5Gb Ethernet Adapterを案内していて、Apple Storeで4,800円(2026年10月7日時点)。モニターや給電もまとめたいならハブのほうが向く。

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