オーディオインターフェースは必要か?なしで録音できる用途、要る用途

オーディオインターフェースは必要か?なしで録音できる用途、要る用途

オーディオインターフェースは「DTMを始めるなら最初に買うもの」と言われがちだけど、用途によってはなしで普通に始められる。

結論 打ち込みだけのDTM、USBマイクで声を1本録る、OBSでの配信なら、なしで始められる。要るのは、XLR端子のコンデンサーマイク(48Vの電源が要る)、ギター・ベースの直挿し(Hi-Z入力が要る)、2本以上の同時録音、OBSを使わない配信のとき。Windowsで打ち込みの遅延が気になる場合も候補に入る。

目次 / INDEX

用途別:なしで済む/要る 早見表

判断の軸は、PCに無い口や電源が必要かどうかだけ。用途ごとにまとめるとこうなる。

用途なしで済むか代わりに使うもの要る理由
打ち込みだけのDTM○PCのヘッドホン端子なし(Windowsは遅延で△)
声を1本録る(歌ってみた・ナレーション・会議)○USBマイクなし
PC配信(OBS)で声+ゲーム音・BGM○USBマイク+OBSのデスクトップ音声なし
ヘッドホンでモニターする○Macのヘッドホン端子(2021年以降の対応機種)なし
XLRのコンデンサーマイクを使う×なし48Vのファンタム電源とXLR入力
XLRのダイナミックマイクを使う×USB端子もある機種ならUSBで可XLR入力(48Vは不要)
エレキギター・ベースを直接録る×なしHi-Z(楽器用)入力
2本以上を同時に別トラックで録る×なし入力の数
OBSを使わない配信・スマホ配信△〜×なしループバック

○が付いた用途は、今の手持ちで始めて困ってから考えれば足りる。×の行に1つでも当てはまるなら、買う前提で機種選びに進んだほうが早い。

機種の選び方はオーディオインターフェースおすすめ13選で、入出力数と価格帯から比べている。

なくても済むケース

打ち込みだけのDTM

ソフト音源をMIDIキーボードやマウスで打ち込んで曲を作るだけなら、マイクも楽器も録らない。音はPCの中で鳴って、ヘッドホン端子から出るだけだ。

上位の解説記事も結論はそろっていて、「打ち込みだけでの作曲を目的とするなら、オーディオインターフェースは必要ない」(uratatetsu.com)とある。2026年9月更新のsoundpicks.jpも「マイク録音をしないなら、外付けがなくても制作は進みます」と書いている。

始めるのに要るのはDAW(曲を作るソフト)と、必要ならMIDIキーボードくらい。無料で使えるものを含めてDAWおすすめ、鍵盤はMIDIキーボードおすすめで比べている。

弾いた音が遅れて聞こえるとき

なしで打ち込んでいて気になりやすいのが、鍵盤を押してから音が出るまでの遅れ(レイテンシー)。これはDAWのバッファサイズでかなり変わる。

Appleのサポート記事は、バッファを小さくすると遅延は減るが処理負荷が上がる、と説明している。録音するときは一番小さい設定にして、処理落ちの警告が出たら1段ずつ上げる、というのがAppleの手順だ。

Macで打ち込むなら、まずここを触ってみて、それでも気になるかで判断すればいい。Windowsは事情が少し違うので、後の節で分けて書く。

声を1本録るだけ

歌ってみた、ナレーション、オンライン会議のように声を1本だけ録るなら、USBマイクで完結する。USBマイクはマイクの中で音をデジタルに変えてPCへ送るので、間にインターフェースが要らない。

最近のUSBマイクは、録っている自分の声を遅れなく聞くための機能まで本体に持っている。公式の記載で確かめられた例を挙げる。

  • RØDE NT-USB+:コンデンサー型。「zero-latency monitoring」(遅延なしのモニター)付きのヘッドホン出力。PC・スマホ・タブレットでドライバなしで動く
  • Logicool G Blue Yeti(BM400):48kHz・16bit。ヘッドホン出力130mW。ドライバ不要でWindows・Mac対応、指向性を4種類から切り替えられる
  • Shure MV7+:ダイナミック型。USB-C出力とXLR出力の両方があり、3.5mmのヘッドホン端子付き

USBマイクを選ぶときは、ヘッドホン端子と遅延なしモニターがあるかを見ておくと、録りながら自分の声を確かめられる。機種ごとの比較はマイクおすすめに載せている。

PC配信(OBS)

配信には「ループバックが必須だからインターフェースが要る」と書く記事が多い。ループバックは、PCで鳴らしたBGMやゲーム音を、マイクの声と一緒に配信へ送る機能だ。

ただ、OBSを使うならOBSの側でPCの音を拾える。弾き語リスト-LABOのループバック解説も「OBS STUDIOではデスクトップ音声という名称でPCの音を配信に流せる機能がついています」と書いている。

Macも同じで、OBS公式のガイドによると、OBS Studio 30をmacOS 13(Ventura)以降で使えば「macOS Audio Capture」というソースが使える。USBマイクの声とPCの音を、OBSの中で混ぜて流せる。

配信用にマイクをアームで口元に寄せたいなら、マイクアームおすすめも参考になる。

要るケース

XLRのコンデンサーマイクを使う

コンデンサーマイクは動かすのに電気が要る。オーディオテクニカも「多くのコンデンサーマイクは動作のためにファンタム電源と呼ばれる外部電源を必要とします」と書いている。

このファンタム電源(48V)をケーブル越しに送る口は、PCには無い。XLR端子のコンデンサーマイクを選んだ時点で、インターフェースはほぼセットだと考えていい。

XLRのダイナミックマイクを使う

ダイナミックマイクはファンタム電源が要らない。業務用音響の代理店ヒビノも「ダイナミックマイクに関しては、ファンタム電源を供給する必要はありません」としている。

ただし電源が要らないだけで、XLRのケーブルを受ける口はやはりPCに無い。XLR端子しか無いダイナミックマイクなら、インターフェースかミキサーが要る。

Shure MV7+のようにUSBとXLRの両方を持つ機種なら話が変わる。最初はUSBでPCに直接つなぎ、あとでインターフェースを買ったらXLRでつなぎ替える、という使い方ができる。

エレキギター・ベースを直接録る

ギターやベースのケーブルは、マイク入力ではなくHi-Z(楽器用の入力)に挿す。Focusriteの日本公式noteも、ギターをフォン入力につないで「Inst」ボタンでハイインピーダンス回路を有効にする手順を書いている。

石橋楽器もPCのマイク入力について「ギターなんかそもそも繋げない」と書いているとおり、PCの端子では受けられない。ギターを録るならインターフェースは要る。

2本以上を同時に別トラックで録る

弾き語りで声とギターを別々に録る、2人で同時に話す、といった用途では、入力の数が要る。USBマイクを2本挿すより、入力が2つ以上あるインターフェースのほうが素直だ。

何本を同時に録るかで機種が決まる話は、オーディオインターフェースおすすめ13選の「入出力数で選ぶ」で詳しく比べている。

OBSを使わない配信・スマホ配信

スマホから配信する、雑談や弾き語りを配信アプリだけで流す、といった場合は、OBSのような音を混ぜるソフトが間に入らない。ここでループバックのある機材が効いてくる。

PCやスマホで鳴らしたBGMをインターフェースの中で声と混ぜて、そのまま配信に送れる。スマホ配信が中心なら、この用途はインターフェースを買う理由になる。

Mac と Windows で判断が変わるところ

Windows は ASIO ドライバがあるかで遅延が変わる

Windowsで打ち込みの遅延が気になる場合、原因はドライバにあることが多い。Microsoftの開発者向け資料は、Windows 10以降のアプリは既定で10msのバッファで音を扱うと書いている。

低遅延が要るアプリの代わりの手段として、同じ資料が挙げているのがASIO(音楽ソフト向けのドライバ方式)だ。サードパーティのASIOドライバを入れると、アプリからドライバへ直接データを送れるようになる。

インターフェースを買うと、メーカーのASIOドライバを入れて使える機種がある。一方でPCの内蔵サウンドには、専用のASIOドライバが無いことがある。

内蔵サウンドで使える汎用のドライバとして、Steinbergの「Built-In ASIO Driver」がある。Steinbergのヘルプも、特定のASIOドライバが使えない場合にこれを使えるとしている。まずはこれで試して、遅延に我慢できなければインターフェースを考える順番でいい。

Mac のヘッドホン端子は2021年以降ハイインピーダンス対応

「いいヘッドホンを鳴らすためにインターフェースが要る」という話もよく聞く。Macなら、これは機種次第で要らない。

Appleのサポート記事によると、2021年以降に出た対応Macは、ハイインピーダンスのヘッドホンを直接つなげる。出力は150Ω未満で最大1.25Vrms、150Ω〜1kΩで3Vrmsで、Appleは「場合によっては外付けのヘッドフォンアンプが不要になります」と書いている。

対応機種はこのとおり。

  • MacBook Pro(2021年以降)
  • MacBook Air(2022年以降)
  • Mac Studio(2022年以降)
  • iMac・Mac mini(2023年以降)、Mac Pro(2023年モデル)

内蔵のDACも最大96kHzのサンプルレートに対応する。筆者が持っているMacBook Pro(M5 Pro)も、仕様表にハイインピーダンス対応のヘッドホン端子と書かれている。

モニター用のヘッドホン自体を選ぶならモニターヘッドホンおすすめで比べている。

USBマイクで始めて後悔しやすいパターン

USBマイクで始めるのは安上がりだけど、あとから用途が広がったときにUSBマイクのままでは伸ばせない場面がある。

  • ギターも録りたくなった(Hi-Z入力が要る)
  • 弾き語りで声とギターを別々に録りたくなった(入力が2つ要る)
  • XLRのコンデンサーマイクに乗り換えたくなった(48Vが要る)

このどれかが見えているなら、最初からインターフェースを買ったほうが二度手間にならない。逆に「声だけ」で終わりそうなら、USBマイクで十分だ。

迷うなら、USBとXLRの両方を持つマイクを選ぶのも手だ。USBで始めて、あとでインターフェースを足したらXLRでつなぎ替えられるので、マイクが無駄にならない。

買うと決めたら

×の用途に当てはまったら、次は何本を同時に録るかから機種を決める。

筆者の手元にはRoland Rubix66があるが、これは同期演奏に3つ以上の出力が要るからで、入出力の多い構成になっている。1〜2本録るだけなら2入力の機種で足りる。

価格帯ごとの候補、Macでの接続、ファンタム電源やループバックの有無はオーディオインターフェースおすすめ13選で比べている。

出典(2026年10月5日時点)

よくある質問

オーディオインターフェースなしでDTMはできる?

ソフト音源をMIDIキーボードやマウスで打ち込むだけなら、なしでも制作は進む。音はPCのヘッドホン端子から聞けばいい。弾いた音が遅れて聞こえるときは、DAWのバッファサイズを小さくする。Windowsは内蔵サウンドに専用のASIOドライバがないことがあり、遅延を詰めにくい。

歌を録るならオーディオインターフェースは必要?

声を1本録るだけならUSBマイクで完結する。ヘッドホン端子と遅延なしのモニター機能を持つUSBマイクもある。XLR端子のコンデンサーマイクを使う、2本以上を同時に別トラックで録る、ギターも直接録りたい、のどれかに当てはまるなら必要になる。

ダイナミックマイクならオーディオインターフェースは要らない?

XLR端子のダイナミックマイクでも、XLRを受ける入力口はPCにないので、オーディオインターフェースかミキサーは要る。ファンタム電源(48V)が要らないだけ。USB端子とXLR端子の両方を持つダイナミックマイクなら、USBでPCに直接つなげる。

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