DTM向けモニターヘッドホン10選!【2026年10月版】

DTMを始めた、宅録で歌を録りたい、動画の音を整えたい。そんなときの制作用ヘッドホンは、録音するか、ケーブルを長く使うかの2つで絞れる。
結論 録音するなら密閉型、長く使うなら着脱式。1万円を切るATH-M20x(非着脱・190g)、1万円台後半のATH-M40x(着脱式2本・動画編集向けの明記あり)、録音しない人向けのAKG K240 MKII-Y3(セミオープン・着脱式2本)の3本。
価格は2026年9月時点で確認した実売の目安です。セール・在庫で変動するので、購入前にリンク先で最新価格をご確認ください。本記事にはアフィリエイトリンク(PR)が含まれます。掲載商品の選び方・星の意味・実際に所有している機材は評価基準で公開しています。
目次 / INDEX
リスニング用との違い
よく迷いやすいのが、手持ちのヘッドホンで作業すれば足りるんじゃないか、という話。
リスニング用のヘッドホンは、低音や高音を強調して「楽しく聴かせる」チューニングがされている。制作用(モニター)はこの味付けをできるだけ無くして、原音に忠実にフラットに鳴らすことを目指す。同じ考え方のスピーカー版は、DTM向けモニタースピーカーの比較で書いた。
リスニング用で曲を作ると何が起きるか。実際より低音が出て聴こえるので、ちょうどいいと思って仕上げた曲が、スマホのスピーカーやイヤホンで聴くと低音がスカスカに感じられる。ミックスの失敗としては定番のパターンで、作業中に気づけない。
だから録音・ミックス・動画の音声確認をするなら、製品名か説明に「モニター」「スタジオ」と明記された製品から選ぶ。今回の候補は制作・録音・電子楽器用途として売られているものを集めた。RH-5だけは、メーカーが電子楽器の練習を主な用途に挙げている。
普段の音楽鑑賞や通学用のヘッドホンは別の記事にまとめてある。ノイズキャンセリングやワイヤレスを探しているなら、そっちのほうが早い。
関連記事 大学生向けのヘッドホンのおすすめ(リスニング・ノイキャン) 通学・勉強用のワイヤレスとノイズキャンセリング。制作用はこの記事へ。 読む →密閉型か、セミオープンか
型式で見る場所は2つ。マイクで録音するかどうか、そして寮やアパートで使うかどうか。
| 型式 | 構造 | 録音 | 集合住宅・深夜 |
|---|---|---|---|
| 密閉型 | 耳を覆う部分が閉じている | 音がマイクに被りにくい | 音漏れが少ない |
| 開放型・セミオープン型 | 耳あてに通気孔がある | 漏れた音がマイクに回り込む | 同室の人に聞こえやすい |
密閉型は外の音が入りにくく、自分の音も外に漏れにくい。自分の声や楽器をマイクで拾うなら密閉型が基本で、ヘッドホンから漏れた伴奏(オケ)がマイクに回り込むと、後処理で完全には取りにくい。深夜に作業するときも、音漏れが少ないぶん同室の人への気兼ねが減る。
開放型やセミオープン型は、耳あて部分に通気孔があって、スピーカーで聴いているような自然な音場が得られる。代わりに音が外に漏れる。録音中にマイクへ回り込むし、同室の人にはふつうに聞こえる。
集合住宅で気をつけるのは壁越しの漏れより、深夜に同室の家族やルームメイトへ届く音量のほう。ミックスやマスタリングのように録音をしない作業が中心なら選択肢に入るが、寮・アパート・同居家族という学生の生活環境では密閉型のほうが失敗が少ない。
今回の10本でセミオープンはAKG K240 MKII-Y3の1本だけ。残り9本は密閉型。K240は録音をしない人向けの対照として載せている。
インピーダンスとPC直挿し
インピーダンスは「鳴らしやすさ」の目安で、単位はΩ。Ωが低いほど、PCやスマホの小さな出力でも音量を取りやすい。
ただし実際の音量は、ヘッドホンの感度とつなぐ機器の出力でも変わる。同じ感度なら、Ωが高い機種ほど、つなぐ機器側に大きな出力電圧が要る。
今回の10本は32〜64Ω。PC直挿しやエントリークラスのオーディオインターフェースでよく使われる帯で、直挿しで音量が足りなければオーディオインターフェースかヘッドホンアンプを足せばいい。だからオーディオインターフェースを持っていない段階で買っても、あとから買い足せば済む。
筆者はCD900ST(63Ω)とRubix66を持っている。CD900STは6.3mmの標準プラグなので、ノートPCの3.5mm端子にはそのままでは挿せず、変換が要る。
引っかかりやすいのは、同じ製品名でインピーダンス違いが売られている機種がある点。代表がbeyerdynamic DT 770 PRO(今回の候補には入れていないが、比較記事や販売ページで見かけやすい機種)で、32Ω・80Ω・250Ωの3種類がある。250Ω版は大きな出力が要るので、アンプやオーディオインターフェースがあると安心だ。
楽天の出品ページでは商品名や説明文でΩ数の表記がばらついているので、型番だけで判断せず、仕様欄のΩ数を見てから買う。
インターフェースそのものの選び方は別記事にある。
関連記事 オーディオインターフェースのおすすめ 入力数で選ぶ。歌だけなら1つ、弾き語りを別トラックなら2つ。筆者はRubix66。 読む →ケーブルは着脱式か、カールかストレートか
ケーブルは断線が起きうる部分なので、着脱できるかどうかは、音の仕様と同じくらい長く使うときに効く。
| ケーブル | 断線したら | 使い分け | 今回の10本 |
|---|---|---|---|
| 着脱式 | ケーブルだけ買い替え | カールとストレートを付け替えられる機種がある | K240 MKII-Y3・M40x・SRH440A・M50x・MDR-M1 |
| 非着脱(固定) | 本体の修理。修理費次第で買い替え | 付属の1本のみ | ATH-M20x・MDR-CD900ST |
| 確認できず | − | − | TH-11・RH-5・HD 280 PRO MK2 |
着脱式は、根元で断線してもケーブルだけ買い替えられる。付属品としてカールコード(伸縮する)とストレートコードの両方が付く機種もあって、机での作業はストレート、椅子を動かして使うならカール、と使い分けられる。
ATH-M50xはカール1本とストレート2本(3.0mと1.2m)で、持ち出し用の短いケーブルまで付いてくる。SRH440AとMDR-M1は着脱式だが付属はストレートだけなので、カールが要るなら別売りを足す。
非着脱は本体価格が抑えられている。代わりに根元で断線すると本体の修理が要り、修理費次第では買い替えになる。ATH-M20xとMDR-CD900STがこのタイプで、CD900STは2.5mの固定コードに6.3mmの標準プラグが付いているので、ノートPCやスマホの3.5mmに挿すには変換が要る。
毎日机で作業するなら着脱式を選ぶ理由が大きい。価格重視でまず1本試すなら、非着脱も選択肢に入る。
10本の比較表
筆者が持っているのはSONY MDR-CD900STが2台と、Rolandのオーディオインターフェース Rubix66。他の9本は自分で使ったものではないので、メーカー公式と楽天の商品ページで確認できた仕様から比べている。
総合点は安さ・ケーブル・軽さ・鳴らしやすさで付けた。
価格は楽天の商品ページで確認した新品の税込目安。表は総合点の高い順に並べた。重さはメーカー公式の数値で、コードを含まない表記の機種が混ざる。
| 総合 | 製品名 | 価格 | 安さ | ケーブル | 軽さ | 鳴らしやすさ | ケーブル | 重さ | インピーダンス | 型式 | プラグ | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 14.45 | audio-technica ATH-M40x | Amazon価格を見る | 楽天市場¥16,940 | Yahoo!¥16,940 | 4.0 | 5.0 | 4.0 | 5.0 | 着脱式・カール1.2m+ストレート3.0m | 240g | 35Ω | 密閉型 | 3.5mm/6.3mm 2ウェイ |
| 24.30 | AKG K240 MKII-Y3 | Amazon価格を見る | 楽天市場¥15,800 | Yahoo!¥15,800 | 4.0 | 5.0 | 4.0 | 4.0 | 着脱式・ストレート3m+カール5m | 240g | 55Ω | セミオープン型 | 6.3mm変換付属 |
| 34.10 | Roland RH-5 | Amazon価格を見る | 楽天市場¥9,900 | Yahoo!¥9,900 | 5.0 | 2.0 | 5.0 | 5.0 | 3.0m(着脱式の記載なし) | 190g | 32Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
| 43.95 | audio-technica ATH-M20x | Amazon価格を見る | 楽天市場¥9,680 | Yahoo!¥7,000 | 5.0 | 2.0 | 5.0 | 4.0 | 非着脱・3.0mストレート | 190g | 47Ω | 密閉型 | 3.5mm/6.3mm 2ウェイ |
| 53.90 | SHURE SRH440A | Amazon価格を見る | 楽天市場¥16,998 | Yahoo!¥16,830 | 4.0 | 4.0 | 3.0 | 5.0 | 着脱式・ストレート3.0m | 270g | 40Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
| 63.65 | audio-technica ATH-M50x | Amazon価格を見る | 楽天市場¥24,200 | Yahoo!¥22,000 | 3.0 | 5.0 | 2.0 | 5.0 | 着脱式・カール1.2m+ストレート3.0m+ストレート1.2m | 285g | 38Ω | 密閉型 | 3.5mm/6.3mm 2ウェイ |
| 73.60 | TASCAM TH-11 | Amazon価格を見る | 楽天市場¥7,700 | Yahoo!¥7,700 | 5.0 | 2.0 | 3.0 | 5.0 | 非着脱・3.0mストレート | 270g | 32Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
| 83.40 | SONY MDR-M1 | Amazon価格を見る | 楽天市場¥45,100 | Yahoo!¥45,100 | 1.0 | 5.0 | 4.0 | 4.0 | 着脱式・ストレート1.2m+2.5m | 216g | 50Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
| 93.20 | SONY MDR-CD900ST | Amazon価格を見る | 楽天市場¥24,860 | Yahoo!¥24,860 | 3.0 | 2.0 | 5.0 | 3.0 | 非着脱・2.5m | 200g | 63Ω | 密閉型 | 6.3mm標準 |
| 102.75 | Sennheiser HD 280 PRO MK2 | Amazon価格を見る | 楽天市場¥17,600 | Yahoo!¥17,600 | 4.0 | 2.0 | 2.0 | 3.0 | 片出し・カール1.3〜3.0m(着脱式の記載なし) | 285g | 64Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
TH-11のケーブルは、TASCAMの英語版の仕様に「fixed(固定)」とある。RH-5とHD 280 PRO MK2は、メーカーの仕様に着脱式とは書かれていない。
1万円以下
最初の1本の候補はここ。3本とも密閉型で32〜47Ωと、小さな出力でも音量を取りやすい部類。
1. TASCAM TH-11
👍 良い点
- 10本で最安
- メーカーがYouTube配信・DTM向けと明記
- 32Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
- 3.0mのストレートケーブルで机から少し離れても届く
- 密閉型なので録音にも使える
👎 気になる点
- 後発モデルでレビュー数が少なめ
- ATH-M20xとの価格差は千円ほどで、安さの差は小さい
- 270gでATH-M20xより80g重い
- カールコードは付かず、椅子を動かす使い方には向きにくい
- 3.0mはノートPCと机だけの作業には長い
10本で最安の密閉型。メーカー自身がYouTube配信・DTM向けとうたっていて、32Ωなのでノートやスマホの出力でも音量を取りやすい部類。老舗ブランドの後発モデルで、まだレビューが少ない。安さを最優先で、まず制作用の1本を手にしたい人向け。
こんな人に:とにかく安く、密閉型で、配信やDTMの音を確認したい
2. audio-technica ATH-M20x
👍 良い点
- 1万円を切る定番ブランドの入門機
- 190gで10本の中で最軽量クラス
- 情報・レビューが豊富で調べやすい
- 47Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
- メーカーがスタジオレコーディング・ミキシング向けと明記
👎 気になる点
- ケーブル非着脱で断線したら本体の修理か買い替え
- ケーブルは3.0mの1種類で長さを選べない
- 上位機に付くカールコードは無い
- 非着脱なので短いケーブルに替えて持ち出す使い方ができない
- 上位のM40x・M50xと比べると付属品が少ない
定番ブランドの入門機で、1万円を切る。190gと今回の10本で最軽量クラスで、47Ωなのでオーディオインターフェースが無い段階でも音量を取りやすい部類。情報とレビューが豊富で、困ったときに調べやすいのも入門機として効く。ケーブルは非着脱の3.0m固定なので、根元で断線したら本体の修理が要り、修理費次第では買い替えになる。
こんな人に:1万円以内で、録音もミックスも一通りこなせる定番が欲しい
3. Roland RH-5
👍 良い点
- 32Ωで10本の中でもっとも鳴らしやすい部類
- 190gで軽い
- 電子ピアノなど電子楽器の練習と音楽制作向け
- 1万円を切る
- 密閉型で周囲に音が漏れにくい
👎 気になる点
- ケーブルが着脱できるかは商品ページに記載が無い
- ケーブルは3.0mの1本でカールコードは無い
- ATH-M20xと同じ190gで、軽さでは差がつかない
- DTM向けのモニターとしての情報がATH-Mシリーズより少ない
- 同価格帯のATH-M20xと比べて選ぶ決め手が薄い
電子ピアノなど電子楽器の練習と音楽制作向けの密閉型で、32Ωと鳴らしやすく190gと軽い。メーカーは電子楽器の練習を主な用途に挙げ、ミキシングのチェックにも使えるとしている。MIDIキーボードや電子ピアノにつないで練習と打ち込みを兼ねる人には、1万円を切る価格が合う。
こんな人に:電子ピアノやMIDIキーボードの練習と、DTMの打ち込みを1本で
TH-11とM20xの差額は千円ほどで、迷うならM20x。情報の多さと軽さで差がつく。RH-5は電子ピアノの練習を兼ねる人向けで、MIDIキーボードの選び方はMIDIキーボードのおすすめにまとめた。
関連記事 MIDIキーボードのおすすめ 25鍵か49鍵か、鍵盤の重さ、机に置ける幅。DTMを始める学生向け。 読む →1万円台後半
着脱式ケーブルや2年保証を選べる価格帯。学生が「長く使う1本」を選ぶならここ。
4. AKG K240 MKII-Y3
👍 良い点
- 世界中のスタジオで使われてきた定番機
- 着脱式でストレート3mとカール5mの2本付属
- 6.3mm変換アダプターが付属
- 3年保証付きの現行モデルY3
- 55Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
👎 気になる点
- セミオープンなので録音中にマイクへ音が回り込む
- 同室の人には音が聞こえやすい
- 密閉型より外の音が入りやすい
- 240gでATH-M20xより50g重い
- 無印のK240 MKIIは終売なので探すときは末尾のY3を確認する
今回の10本でセミオープン型はこれだけで、世界中のスタジオで使われてきた定番機。ケーブルは着脱式でストレート3mとカール5mの2本、6.3mm変換アダプターも付く。無印のK240 MKIIは終売で、3年保証付きのY3が現行モデル。音が外に漏れるので、録音をしない人、ある程度音を出せる部屋の人向け。
こんな人に:録音はしない。ミックス中心で、スピーカーに近い聴こえ方がいい
5. audio-technica ATH-M40x
👍 良い点
- 着脱式でカール1.2mとストレート3.0mの2本付属
- メーカーが動画編集の用途を明記
- 35Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
- 密閉型で録音に使える
- 定番シリーズの中位機で情報が多い
👎 気になる点
- 240gでM20xより50g重い
- M20xより価格が一段上がる
- M50xに付く1.2mのストレートケーブルは付属しない
- SRH440A・HD 280 PRO MK2のような2年保証の売りは無い
- セミオープンのK240に比べると音場は狭くなる
M20xの上位機で、ケーブルが着脱式になり、カール1.2mとストレート3.0mの2本が付く。メーカーが動画編集の用途を明記していて、35Ωと鳴らしやすい。240gとM20xより50g重く、価格も一段上がるが、断線してもケーブルだけ替えられるのがその差を払う理由になる。
こんな人に:動画編集も録音もやる。断線が怖いので着脱式にしたい
6. SHURE SRH440A
👍 良い点
- 12年ぶりに刷新された定番機で、メーカーは装着感を改善したとしている
- 国内正規品は2年保証
- 着脱式の3.0mストレートケーブルと6.3mm変換アダプターが付属
- 40Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
- 密閉型で録音に使える
👎 気になる点
- 約270gでやや重め
- 付属はストレートのみでカールコードは別売り
- 3.0mの1本なので持ち出し用の短いケーブルは別途要る
- 旧SRH440とは別物なので型番の末尾Aを確認する
- 同価格帯のM40xより30g重い
定番機SRH440を12年ぶりに刷新したモデルで、メーカーは装着感を改善したとしている。国内正規品には2年保証が付く。ケーブルは着脱式の3.0mストレート1本で、6.3mm変換アダプターが付く。40Ωなので小さな出力でも音量を取りやすい部類。約270gとこの価格帯ではやや重めなので、軽さを優先するならM40x。カールコードが要る人は別売りの交換ケーブルを足す。
こんな人に:2年保証が欲しい。着脱式で、机では3mのストレート1本で足りる
7. Sennheiser HD 280 PRO MK2
👍 良い点
- 世界的ロングセラー機のMK2版
- 遮音性に定評がある
- 国内正規品は2年保証
- メーカーがミキシング・マスタリング向けと明記
- 片出しのカールコード(1.3〜3.0m)と6.3mm変換アダプターが付属
👎 気になる点
- 285gでこの価格帯では重め
- ストレートケーブルは付属しない
- 64Ωと10本の中でインピーダンスがもっとも高く、直挿しでは音量に余裕が出にくいことがある
- 1万円台後半の4本の中では最高額
- 同価格帯のM40x・SRH440Aより重い
世界的なロングセラー機のMK2版で、遮音性に定評がある。メーカーがミキシング・マスタリング向けとうたい、国内正規品には2年保証が付く。ケーブルは片出しのカールコード(1.3〜3.0m)で、6.3mm変換アダプターが付く。64Ωと10本の中ではもっとも高いので、オーディオインターフェースがあると音量に余裕を持ちやすい。285gとこの価格帯では重い。
こんな人に:遮音性を優先したい。周りの音を遮って録音したい
1万円台後半は4本が2千円弱の幅にひしめいている。録音するなら密閉のM40x・SRH440A・HD 280 PRO MK2から、しないならK240。M40xは付属ケーブル2本と動画編集用途の明記、SRH440AとHD 280 PRO MK2は2年保証も比較材料になる。
2万円台
ATH-Mシリーズの上位機と、業界標準。学生が最初に買う帯ではないが、知っておくと下の帯の選び方が変わる。
8. audio-technica ATH-M50x
👍 良い点
- 着脱式でカール・ストレート3.0m・ストレート1.2mの3本付属
- 持ち出し用の1.2mが最初から付く
- メーカーが情報量豊かな高解像度再生をうたう
- 38Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
- 密閉型で録音に使える
👎 気になる点
- 285gで10本の中でも重い部類
- 今回の比較では上位帯の価格
- M40xとの差額が学生予算では大きい
- 持ち出し用の1.2mは付くが、285gは通学に持ち歩くには重め
- 同じ2万円台のCD900STより85g重い
ATH-Mシリーズの上位機で、メーカーは情報量豊かな高解像度再生をうたう。ケーブルは着脱式で、カール1.2m、ストレート3.0m、ストレート1.2mの3本付属。自宅の机から持ち出しまで1本で対応できる。285gと重く、価格も今回の上位帯なので、付属ケーブル・重さ・音の設計の差にM40xとの価格差を出せるかで判断する。
こんな人に:家でも外でも使うので短いケーブルが欲しい。ATH-Mシリーズの上位機を選びたい
9. SONY MDR-CD900ST
👍 良い点
- レコーディングスタジオの業界標準機
- 中高音域の解像度に定評
- 200gで10本の中でも軽い
- 密閉型で録音に使える
- 筆者が2台所有している
👎 気になる点
- ケーブル非着脱で断線したら本体の修理か買い替え
- 6.3mmの標準プラグなのでノートPCやスマホには変換が要る
- 2.5mの1本のみでカールコードは無い
- 同価格帯のM50xのような付属ケーブルの選択肢が無い
- 今回の比較では上位帯の価格
レコーディングスタジオの業界標準機で、中高音域の解像度に定評がある。筆者はこれを2台持っている。200gと軽い。ケーブルは非着脱の2.5mで、プラグは6.3mmの標準プラグなので、ノートPCやスマホの3.5mm端子に挿すには変換が要る。
こんな人に:CD900STを採用している制作現場と同じ機種を使いたい。オーディオインターフェースは持っている
CD900STを2万円台で学生に薦めるかは微妙なところで、非着脱で標準プラグという仕様は、オーディオインターフェースが無い段階だとひと手間増える。CD900STを採用している制作現場と同じ機種を使いたい人が、インターフェースを揃えたあとに買う順番でいい。
4万円台
10. SONY MDR-M1
👍 良い点
- 2025年9月発売のソニーの新しいスタジオモニター
- 超広帯域の再生に対応
- 着脱式でストレート1.2mと2.5mの2本、6.3mm変換アダプターが付属
- 216gで軽い
- 50Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類
👎 気になる点
- 10本で最高額
- 学生予算では上位機の位置づけ
- 発売から日が浅く長期使用の情報が少ない
- 初めての1本には価格差ぶんの必要性が薄い
- カールコードは付属しない
2025年9月に発売されたソニーの密閉型スタジオモニターで、超広帯域の再生に対応する。ケーブルは着脱式でストレートの1.2mと2.5mの2本、6.3mm変換アダプターが付く。216gと軽い。今回の10本で最高額で、学生予算では上位機の位置づけになるので、CD900STの仕様が古いと感じる人が上を見るときの候補。
こんな人に:CD900STと同じソニーのスタジオモニターで、着脱式ケーブルと新しい設計が欲しい
MDR-M1を載せたのは、上を知ったうえで下を選んでほしいから。着脱式で軽くて新しい、という条件はM40xでもほぼ満たせる。差額で何が変わるかを見てから、自分の作業にその差が要るか考えればいい。
実際に使ってみて(SONY MDR-CD900ST)
手元にあるのは CD900ST が2台だ。使っていていちばんありがたいのは、軽くて頭が痛くならないところ。長い時間かぶっても側圧で締めつけられる感じが出にくいので、作業が途切れない。
ただ、プラグは6.3mmの標準なので、ノートPCの3.5mm端子に挿すには変換が要る。オーディオインターフェースかヘッドホンアンプにつなぐ前提の機種だ。
学生におすすめ3選
予算で3段に分けた。最初の1本は1万円以下で足りる。ケーブルが着脱できて保証の長い機種は、1万円台後半から選べる。
- とにかく安く1本目を → TASCAM TH-11(約7,700円)。10本で最安の密閉型。32Ωで、オーディオインターフェースが無い段階でも音量を取りやすい部類。メーカーがYouTube配信・DTM向けと明記している。
- 定番で迷いたくない → audio-technica ATH-M20x(約9,075円)。1万円を切る定番ブランドの入門機で、190gと軽い。情報とレビューが多く、困ったときに調べやすい。ケーブルは非着脱。
- 少し上を長く使う → SHURE SRH440A(約16,998円)。着脱式の3.0mケーブルで、断線してもケーブルだけ替えられる。国内正規品は2年保証。約270gと重めなので、軽さを取るならM40x。
10本で最安の密閉型。メーカーがYouTube配信・DTM向けとうたい、32Ωなのでノートやスマホの出力でも音量を取りやすい部類。後発モデルでレビューはまだ少ない。
こんな人に:とにかく安く、密閉型で録音にも使える1本目が欲しい
定番ブランドの入門機で、1万円を切る。190gと軽く、47Ωで小さな出力でも音量を取りやすい部類。ケーブルは非着脱の3.0m固定なので、根元で断線したら本体の修理か買い替えになる。
こんな人に:1万円以内で、情報の多い定番を選びたい
| 総合 | 製品名 | 価格 | 安さ | ケーブル | 軽さ | 鳴らしやすさ | ケーブル | 重さ | インピーダンス | 型式 | プラグ | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 43.95 | audio-technica ATH-M20x | Amazon価格を見る | 楽天市場¥9,680 | Yahoo!¥7,000 | 5.0 | 2.0 | 5.0 | 4.0 | 非着脱・3.0mストレート | 190g | 47Ω | 密閉型 | 3.5mm/6.3mm 2ウェイ |
| 53.90 | SHURE SRH440A | Amazon価格を見る | 楽天市場¥16,998 | Yahoo!¥16,830 | 4.0 | 4.0 | 3.0 | 5.0 | 着脱式・ストレート3.0m | 270g | 40Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
| 73.60 | TASCAM TH-11 | Amazon価格を見る | 楽天市場¥7,700 | Yahoo!¥7,700 | 5.0 | 2.0 | 3.0 | 5.0 | 非着脱・3.0mストレート | 270g | 32Ω | 密閉型 | 6.3mm変換付属 |
用途別の3選
10本の中から、DTM・録音・動画編集を始めた学生の使い方で3本に絞る。2万円超は入れない。
- 1万円以内で、録音もミックスも → audio-technica ATH-M20x(1万円弱)。190gと軽く、47Ωで小さな出力でも音量を取りやすく、密閉型なので録音に使える。定番ブランドで、入門機として情報を探しやすい。ケーブルは非着脱なので、断線したら本体の修理か買い替えになる点だけ割り切る。
- 動画編集も録音もやる、長く使いたい → audio-technica ATH-M40x(1万円台後半)。着脱式でカールとストレートの2本付属、メーカーが動画編集の用途を明記。ケーブル交換を重視するなら、M20xとの差額を払う理由になる。
- 録音はしない、ミックス中心 → AKG K240 MKII-Y3(1万円台後半)。セミオープンでスピーカーに近い聴こえ方をする定番機。着脱式で2本付属、3年保証。音が外に漏れるので、マイクで録る人と、同室に人がいる環境では密閉型を優先する。
190gと軽く、47Ωで小さな出力でも音量を取りやすく、密閉型なので録音に使える。定番ブランドで、入門機として情報を探しやすい。ケーブルは非着脱なので、断線したら本体の修理か買い替えになる点だけ割り切る。
こんな人に:1万円以内で、録音もミックスも
着脱式でカールとストレートの2本付属、メーカーが動画編集の用途を明記。ケーブル交換を重視するなら、M20xとの差額を払う理由になる。
こんな人に:動画編集も録音もやる、長く使いたい
今回選んだ3本は35〜55Ω。直挿しのときの音量は感度とPC側の出力にもよるので、足りなければオーディオインターフェースを足す。入力数で選ぶ基準はオーディオインターフェースのおすすめにまとめてある。
筆者のCD900STは2万円台なので3選には入れていないが、CD900STを採用する制作現場と同じ機種を試したい場合の候補として置いておく。
よくある質問
モニターヘッドホンとリスニング用のヘッドホンは何が違う?
リスニング用は低音や高音を強めて楽しく聴かせる味付けがしてある。モニター用はその味付けをできるだけ無くし、フラットに鳴らす。リスニング用で曲を作ると、実際より低音が出て聴こえるので、他の環境で聴いたときに低音がスカスカになりやすい。録音・ミックス・動画の音声確認に使うなら、製品名や説明に「モニター」「スタジオ」と書かれたものを選ぶ。
DTMのヘッドホンは密閉型と開放型のどっちがいい?
マイクで自分の声や楽器を録るなら密閉型。開放型やセミオープン型は耳あてに通気孔があって音が外に漏れるので、録音中にマイクへ回り込む。寮やアパートで深夜に作業する人も、音漏れの少ない密閉型のほうが失敗が少ない。録音をせず、ある程度音を出せる部屋でミックス中心なら、セミオープンも選択肢になる。
オーディオインターフェースが無くてもPC直挿しで鳴らせる?
この記事の10本は32〜64Ω。Ωが低いほど、PCやスマホの小さな出力でも音量を取りやすい。ただし実際の音量は感度とつなぐ機器の出力でも変わるので、直挿しで足りなければオーディオインターフェースかヘッドホンアンプを足す。注意したいのは、同じ製品名でインピーダンス違いが売られている機種があること。beyerdynamic DT 770 PROは32Ω・80Ω・250Ωの3種類があり、250Ωのような高いΩはアンプやオーディオインターフェースがあると安心。買う前に商品ページの仕様欄でΩ数を見る。
ケーブルは着脱式のほうがいい?
毎日机で使うなら着脱式を選ぶ理由が大きい。断線してもケーブルだけ買い替えられるし、カールとストレートを使い分けられる機種もある。非着脱のATH-M20xやMDR-CD900STは本体価格が抑えられている代わりに、根元で断線すると本体の修理が要り、修理費次第では買い替えになる。価格重視でまず1本試すなら、非着脱も選択肢に入る。