MacBookの充電器は何W必要?付属と高速充電の数字、同時充電の足し算

MacBookの充電器を買い足すとき、迷うのは「結局何Wのを買えばいいのか」だと思う。付属のW数と「高速充電」のW数がずれているモデルが多くて、ここで混乱しやすい。
結論 普段の充電なら付属と同じW数以上で足りる(Air 40W、14インチPro 70Wか96W、16インチPro 140W)。高速充電はAirが70W以上、14インチProが96W以上、16インチProが140W以上のUSB PD。Appleによると低いW数でも充電はできるが遅くなる。iPhoneと同時に挿すなら、2台挿したときの配分で足し算する。
目次 / INDEX
MacBookに要るW数の早見表
Apple公式の仕様ページから、現行モデルの数字を並べた。付属アダプタと高速充電の条件は別の列にしてある。
| モデル | 付属アダプタ | 高速充電の条件 | バッテリー |
|---|---|---|---|
| MacBook Air 13インチ(M5) | 40W(最大60W対応) | 70W以上のUSB PD | 53.8Wh |
| MacBook Air 15インチ(M5) | 40W(最大60W対応) | 70W以上のUSB PD | 66.5Wh |
| MacBook Pro 14インチ(M5) | 70W | 96W以上のUSB PD | 72.4Wh |
| MacBook Pro 14インチ(15コアM5 Pro) | 70W | 96W以上のUSB PD | 72.4Wh |
| MacBook Pro 14インチ(18コアM5 Pro・M5 Max) | 96W | 96W以上のUSB PD | 72.4Wh |
| MacBook Pro 16インチ(M5 Pro・M5 Max) | 140W | 140W以上のUSB PD | 100Wh |
| MacBook Neo(参考) | 20W | 記載なし | 36.5Wh |
付属のW数は、普通に使って普通に充電できるラインだと考えればいい。Appleのサポートページも、付属の電源アダプタと同じかそれ以上のW数のUSB-C電源アダプタを使うよう案内している。
高速充電の列は、Appleが言う「30分ほどで最大50%」を狙うときの下限だ。USB PD(USB-Cで電力をやり取りする規格)に対応した充電器なら、他社製でもこの数字を基準に選べる。
ちなみに単純計算だと、13インチAirの53.8Whを40Wで割って約1.3時間になる。ただ、これは変換のロスや、満充電に近づくと電流を絞る動きを無視した値だ。実際はこれより長くかかるので、下限の目安として見ておく。
付属の数字と「高速充電」の数字は別物
表を見ると、付属のW数が高速充電の条件に届いていないモデルがいくつもある。ここを知らずに「付属と同じW数の充電器を買えば高速充電もできる」と思い込むと、期待した速さが出ない。
MacBook Airは付属の40Wでは高速充電にならない
M5のAirは、13インチも15インチも「40Wダイナミック電源アダプタ(最大60W対応)」が付属する。一方で仕様ページの高速充電の行は「70W以上のUSB PD電源」。最大60Wでも70Wには届かない。
購入時のカスタマイズでは、デュアルUSB-Cポートの35Wか、70Wのアダプタを選べる。高速充電を使いたいなら70Wの方だ。
14インチProは構成によって付属が変わる
14インチProの付属は、M5と15コアCPUのM5 Proが70W、18コアCPUのM5 ProとM5 Maxが96W。高速充電の条件はどれも「96W以上」なので、70Wが付属する構成は、そのままでは高速充電の条件を満たさない。
15コアのM5 Proは、購入時のオプションで96Wに変えられる。後から買い足すなら、96W以上を出せるUSB PD充電器を選ぶことになる。
16インチProは140Wが付属で、条件も140W
16インチProは付属も高速充電の条件も140W。ここで効いてくるのがUSB PDの上限だ。USB PDはもともと100Wが上限(20V×5A)で、2021年のRevision 3.1から最大240Wまで広がった。
140Wは、この拡張で増えた28Vの帯にあたる数字だ。だから100Wまでの充電器では、16インチProの高速充電の条件には届かない。
今何Wで充電されているかを調べる
挿している充電器のW数は、Macの中から確認できる。手順はこう。
- 「option」キーを押しながらAppleメニューを開く
- 「システム情報」を選ぶ
- サイドバーの「電源」を選び、右側の「AC充電器の情報」に出るワット数を見る
充電器本体の認証ラベルに書かれたW数でも確かめられる。期待したW数が出ていないなら、充電器(複数ポート機なら配分)かケーブルを疑う。
付属より小さいW数でも充電はできる
30Wや45Wの充電器がすでに手元にあるなら、それで足りるのか。Appleの答えははっきりしていて、推奨より高い、または低いW数のUSB-C電源アダプタでもMacは充電できると書いている。
ただし条件がつく。アダプタの定格がMacに必要なW数を下回ると、「充電に時間がかかったり、確実に充電されなかったりすることがある」とAppleは書いている。
供給が低すぎるときは、バッテリーのメニューと「バッテリー」設定に「低速充電器」と表示される。macOS Tahoe 26.4以降では「低速充電」というメッセージで知らせてくれる。
具体例で言うと、M5のAirに30Wの充電器を挿すと付属の40Wを下回る。充電はできるが、付属より遅くなる組み合わせだ。
重い作業中に残量が減ることがある理由
ここはAppleの記述ではなく、電力の収支の話。Macが使う電力が充電器から入る電力より大きければ、足りない分はバッテリーから出る。だから、挿したままでも残量が減ることはありうる。
Appleのサポートページには、この点を明言した記述は見つからなかった。低いW数の充電器で動画の書き出しのような重い処理をするなら、こういう収支になりうると知っておく程度でいい。
2本挿しても速くならない
MagSafeとUSB-Cの両方に充電器をつなげば速くなりそう、と考えるかもしれない。でもAppleは、Macは一度に1つのポートからのみ充電すると書いている。
使われるのは、つながっている中で一番給電量の多い供給源だ。W数が足りないなら、2本挿すより1本をW数の大きい充電器に替える方が効く。
MacとiPhoneを1個の充電器で充電するときの足し算
1個の充電器でMacとスマホをまとめたいときは、手順が3つある。
- 充電したい機器ごとに、必要なW数を出す
- 同時に挿す機器のW数を足す
- 充電器の「2ポート使用時」の配分表と照らす
ポイントは3つ目で、見るのは総出力ではなく配分だ。
機器ごとのW数の目安
MacBook以外の数字は、Appleのサポートページと仕様ページから拾った。
| 機器 | 目安のW数 | どういう数字か |
|---|---|---|
| iPhone 17・17 Pro・17 Pro Max | 40W以上 | 約20分で最大50%の高速充電 |
| iPhone 17e・iPhone Air | 20W以上 | 30分で最大50%の高速充電 |
| iPhone 12以降の機種 | 20W以上 | 高速充電に必要な電源アダプタ |
| iPhone(MagSafeでワイヤレス高速充電) | 30W以上 | iPhone 16以降とMagSafe充電器。Apple製か、対応する他社製のUSB PDアダプタ |
| iPad Air(M4)・iPad(A16) | 20W | 付属の電源アダプタ |
「スマホは20Wで足りる」はよく見る目安だけど、iPhone 17・17 Proには当てはまらない。最短で充電したいなら40Wが要る。MagSafeで25Wのワイヤレス充電を出すなら、ワイヤレス充電器の選び方で書いたとおり30W以上のアダプタが要る。
計算例
両方を高速充電の条件で動かしたい場合の足し算はこうなる。iPadはAppleが高速充電の条件を出していないので、付属の20Wで数えた。
| 組み合わせ | Mac側 | もう1台 | 必要な配分 |
|---|---|---|---|
| Air(M5)+iPhone 17e | 70W | 20W | 70W+20W(計90W) |
| Air(M5)+iPhone 17 Pro | 70W | 40W | 70W+40W(計110W) |
| Air(M5)+iPad Air(M4) | 70W | 20W | 70W+20W(計90W) |
| 14インチPro(M5)+iPhone 17 Pro | 96W | 40W | 96W+40W(計136W) |
| 16インチPro+iPhone 17 | 140W | 40W | 140W+40W(計180W) |
高速充電までは求めないなら、Mac側を付属のW数(Airなら40W)に置き換えて計算すればいい。Air+iPhone 17eなら40W+20Wで、1台に60W分を同時に配れる充電器が目安になる。
配分表の読み方:70Wの3ポート機の場合
Anker Nano Charger(70W, 3 Ports)の公式の仕様欄には、ポート数ごとの配分がこう書かれている。
- 1ポートだけ使うとき:USB-Cは最大70W
- USB-C2つを同時に使うとき:45W+22.5W、または60W+5W
- 3ポート全部を使うとき:45W+7.5W+7.5W
Mac1台だけなら70Wが出るので、M5のAirの高速充電の条件(70W以上)を満たす。ところがiPhoneを一緒に挿すと、Mac側は45Wか60Wに下がる。付属の40Wは上回るものの、高速充電の条件からは外れる。
複数ポート使用時の合計は最大67.5Wで、Anker自身も「65W以上の高出力PCを充電する際は、USB-Cポート単ポートのご利用をおすすめします」と注記している。
配分表の読み方:65Wの2ポート機の場合
CIO NovaPort SLIM DUO II 65W2Cの仕様欄では、2ポート同時使用時の配分は「45W+20W、20W+45W、30W+30W」で、接続した機器に合わせて自動で振り分けると書かれている。
45W+20Wに振り分けられれば、Airは付属の40Wを上回り、iPhone 17eは20Wを受け取れる。ただ30W+30Wになると、Air側は付属の40Wを下回る。
同じ「65W」でも、どの配分になるかでMacの充電速度は変わる。買う前に製品ページの配分表を見て、Macが乗るポートの数字が自分の必要W数を超えているかを確かめたい。
ケーブルで頭打ちになることもある
充電器のW数が足りていても、ケーブルが細いとそこで止まる。USB-Cのケーブルは、60Wを超える充電にはE-Marker入りの5A対応品が要る。仕組みはUSB-Cの規格の違いの給電の節で詳しく書いた。
16インチProの高速充電も、Appleは「140W USB-C電源アダプタ+240W USB-C充電ケーブル」の組み合わせを挙げている。ケーブルの具体的な選び方はUSB-Cケーブルの比較記事にまとめてある。
Windowsノートは付属アダプタのラベルを見る
Windowsノートは機種ごとに必要なW数がばらばらなので、付属ACアダプタのラベルのW数を基準にするのが一番確実だ。考え方はMacと同じで、ラベルの数字以上なら普段どおり充電できる。
例えばMicrosoftはSurfaceについて、60W未満の充電器だとバッテリーが消耗した状態からは10%まで充電してから起動する必要がある、と案内している。低いW数で起きることはメーカーごとに違うので、自分の機種のサポートページも見ておきたい。
W数が決まったら
必要なW数が出たら、あとは条件に合う充電器を選ぶだけ。Airを普段使いで充電するのか、iPhoneと一緒に高速充電したいのかで、選ぶべき出力とポート数が変わる。
製品ごとの最大出力や2ポート時の配分は、大学生向けUSB-C充電器の比較で並べている。Mac側のポートに何Wが来るかだけは、買う前にもう一度確かめてほしい。
出典(2026年10月5日時点)
- Apple「MacBook Air - 仕様」
- Apple「MacBook Pro - 仕様」
- Apple「MacBook Neo - 仕様」
- Apple サポート「MacBook AirやMacBook Proを高速充電する」
- Apple サポート「Macで電源アダプタを使う」
- Apple サポート「Macノートブックコンピュータを充電する」
- Apple サポート「Macノートブックでバッテリーが『修理サービス推奨』と表示される場合」
- Apple サポート「USB-C電源アダプタでMacノートブックが充電されない場合」
- Apple サポート「iPhoneを高速充電する」
- Apple「iPad Air - 仕様」
- Apple「iPad - 仕様」
- USB-IF「USB Charger (USB Power Delivery)」
- Anker Japan「Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)」
- CIO「NovaPort SLIM DUO II 65W2C」
- Microsoft「Surface 用の USB-C と高速充電」
よくある質問
MacBook Airの充電器は何Wあればいい?
M5のMacBook Airは13インチ・15インチとも40Wのアダプタ(最大60W対応)が付属する。普段の充電ならこれと同じかそれ以上で足りる。Appleの仕様ページによると、高速充電には70W以上のUSB PD電源が要るので、付属のままでは高速充電の条件に届かない。
付属より小さいW数の充電器でMacBookを充電しても大丈夫?
Appleは、推奨より低いW数のUSB-C電源アダプタでもMacを充電できると書いている。ただし充電に時間がかかったり、確実に充電されなかったりすることがある。macOS Tahoe 26.4以降では「低速充電」のメッセージが出る。
MacBookとiPhoneを1個の充電器で同時に充電するなら何W?
それぞれに必要なW数を足して、充電器の「2ポート使用時」の配分と照らす。総出力ではなく配分を見るのがポイント。例えば70Wの3ポート充電器でも、2台挿すとMac側は45Wか60Wに下がる製品がある。M5のMacBook AirとiPhone 17 Proを両方高速充電したいなら、70W+40Wで110W分の配分が要る。