AIへの指示(プロンプト)が上手くなるコツ。ChatGPT・Claudeで今日から使える型と例
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「AIに頼んでも、なんか思ってたのと違う答えが返ってくる」。これはだいたい、AIの性能じゃなくて指示(プロンプト)の書き方の問題だ。
結論から言うと、コツは呪文を覚えることじゃない。要件をちゃんと書くこと。この記事では、そのまま真似できる型とBefore→Afterの例で、指示が上手くなるコツをまとめる。
結論 プロンプトのコツは3つ。①状況(誰向け・何のため・自分の前提)を先に渡す ②出力の形(箇条書き・字数・トーン)を指定する ③一発で完璧を狙わず、出力を見て対話で直す。昔流行った「順を追って考えて」の呪文は、今のAIではもう要らない。
2026年、前提が少し変わった
先に、今の考え方を1つだけ。昔(〜2023年頃)は「順を追って考えて(let’s think step by step)」みたいな呪文を付けると賢くなる、と言われていた。でも今の推論モデル(答える前に内部でじっくり考えるタイプのAI)では、これはもう基本的に不要だ。勝手に段階的に考えてくれるので、付けても精度はほぼ変わらず、待ち時間だけ増える。
代わりに効くのは、**「やり方を細かく指図する」より「ゴールと条件をはっきり伝える」**こと。「どういう手順でやれ」じゃなくて、「何を・どんな条件で・どんな形で欲しいか」を渡すと、手順はAIが自分で組んでくれる。つまり、呪文を覚えるゲームから、要件をちゃんと書くゲームに変わった。これから紹介する型は、その「要件の書き方」だ。
基本の型:5つの要素
いいプロンプトは、次の5要素の組み合わせでできている。全部盛る必要はなくて、難しいタスクほど要素を足すイメージでいい。
| 要素 | 何を書くか | なぜ効くか |
|---|---|---|
| ① 役割 | 「あなたは〇〇です」 | AIの膨大な知識のうち、その分野の言い回しや視点に絞り込ませる |
| ② 文脈 | 目的・読み手・背景・前提 | AIはあなたの状況を知らない。「なぜ・誰のため」で、あなた向けの答えになる |
| ③ 指示 | やってほしいことを明確に | 曖昧さが減るほど当たりが増える |
| ④ 出力形式 | 箇条書き/表/字数/トーン | 形を決めないとAIが勝手に決める。指定すればそのまま使える形で返る |
| ⑤ 例示 | 望む出力サンプルを1〜数個 | 言葉で説明しにくい「感じ」を、例で見せて伝える |
全部入りの完成イメージはこう。
# 役割
あなたはレポート添削に慣れた文章指導の先生です。
# 文脈
理工系の大学生が書いた期末レポートの序論です。
「主張が明確か」「論理の飛躍がないか」を重視してほしい。
# 指示
以下の序論を読み、改善点を指摘してください。書き直しはまだ不要。
# 出力形式
- 良い点を2つ
- 直すべき点を3つ(各点に「なぜ問題か」を1文)
- 最後に、優先して直すべき1点
# 対象の文章
(ここに本文を貼る)
そのまま真似できるテクニック(Before→After)
役割と読み手を与える
Before:確率統計についてわかりやすく教えて。
After:あなたは大学1〜2年生に教えるのが上手いTAです。
数式は最小限にし、身近な例え話を必ず1つ入れて、
「ベイズの定理」を直感的に説明してください。
役割と読み手を指定するだけで、説明のレベルと語り口が一気に合う。
出力の形を指定する
Before:明治維新について教えて。
After:明治維新を次の形式でまとめて:
- 年表(5行以内、年+出来事)
- 主要人物3人(名前+一言役割)
- 「なぜ重要か」を100字で
形を決めると、ノートにそのまま貼れる。ダラダラした長文も防げる。
制約・条件を明示する
Before:プレゼンのタイトル案を出して。
After:ゼミ発表(テーマ:再エネの地域導入)のタイトル案を10個。
条件:各20字以内/専門用語を使わない/うち3つは問いかけ型に。
字数・トーン・個数などの制約が、狙った方向に出力を絞る。「〜を使わないで」という否定の指定も効く。
大きい仕事は分割する
Before:このテーマでレポートを1本まるごと書いて。
After:まずは構成だけ作ろう。
「SNSと若者の消費行動」で、序論・本論3節・結論の見出しと、
各節で何を書くかを1行ずつ提案して。
(合意したら、次に本論1節目を一緒に書きます)
大きな依頼を一度に投げるより、小さく区切る方が精度が高い。丸投げ1発より、結果的に速い。
自分の前提・材料を渡す
Before:おすすめの勉強法を教えて。
After:私の状況:線形代数が苦手、試験まで2週間、平日は1日2時間だけ。
過去問はある。この条件で、2週間の勉強計画を日割りで作って。
これは一般論を避けて、自分専用の答えにするための一番大事なテク。AIはあなたの事情を一切知らないという前提で、材料を先に渡す。
長文は区切り記号で「指示」と「素材」を分ける
以下の三重引用符の中の文章を、200字で要約して。
"""
(ここに長文を貼る)
"""
どこからが「処理してほしい素材」かをAIが誤解しなくなる。Claudeは <document>…</document> のようなタグ、ChatGPTは """ や ### がよく使われる。長い資料は指示より前(上)に置くと精度が上がる。
やりがちな失敗
- 曖昧(「いい感じにして」)→ AIが勝手に方向を決めて的外れに。誰向け・何のため・どんな形か、1つでも足す。
- 丸投げ(「レポート書いて」)→ 一般論の平均的な文章が出る。自分の前提・データ・論点を渡す。
- 一発で完璧を求める → 惜しい答えで止まる。対話で直す前提で始める(下)。
- 長すぎ・盛りすぎ → 指示が薄まって矛盾も混ざる。1プロンプト=1目的に。
- 矛盾した指示(「詳しく、でも3行で」)→ どっちつかずに。優先順位を決めて明示する。
学生の場面別・プロンプト例
長文の要約(嘘を減らす一言つき)
以下の論文を要約して。
- 全体を150字で
- 「主張/根拠/限界」の3見出しで各2〜3行
- 専門用語には( )で一言注釈
分からない箇所は「原文に明記なし」と書いて、推測で埋めないで。
"""(本文を貼る)"""
「推測で埋めるな/不明は不明と言え」を足すと、それっぽい嘘(ハルシネーション)を減らせる。
コードのエラー相談(4点セットが命)
Pythonでこのエラーが出ます。原因と直し方を教えて。
# やりたいこと(1行)
# コード(貼る)
# エラー全文(丸ごと貼る)
# 環境(例:Python 3.12 / Mac)
まず原因を1〜2行、次に直したコード、最後に「なぜ起きたか」を一言。
やりたいこと・コード・エラー全文・環境の4点が揃うと、一発で当たる率が跳ね上がる。
わからない所を潰す(結論→直感→なぜ の順)
「フーリエ変換」を、次の順で説明して:
1. 結論(何をする道具か)を1文で
2. 直感的なイメージ(例え話つき)
3. なぜそれが必要か
最後に理解度チェックの小問を1つ出して。答えたら採点して。
「結論→直感→なぜ」を指定して、最後に確認問題まで頼むと、“わかったつもり”を防げる。
一発で完璧を狙わない
最後に、これが一番大事かもしれない。プロンプトは「入力」じゃなくて「会話の出発点」だ。ゼロから完璧な長文プロンプトを書き上げようとするより、60点で投げて、対話で90点に持っていく方が速くて楽。
出力を見て、足りない1点だけを足していく。
- 「もっと具体例を入れて」
- 「2つ目の段落が硬い。もっと平易に」
- 「全体はいいけど結論が弱い。そこだけ書き直して」
最初の1通に完璧を求めないこと自体が、実はテクニックだったりする。
まずこれだけ意識すればいい
- 状況を先に渡す … 誰向け・何のため・自分の前提。AIはあなたの事情を知らない、が出発点。
- 形を指定する … 箇条書き/表/字数/トーン。そのまま使える形で返ってくる。
- 対話で直す … 60点で投げて、足りない1点を足す。これが一番速い。
道具(ChatGPTかClaudeか)で悩むより、この3つを意識する方がずっと効く。どのAIを選ぶかで迷っているなら、それはこっちにまとめた。
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AIへの指示(プロンプト)のコツは?
状況(誰向け・何のため・自分の前提)を先に渡し、出力形式(箇条書き・字数・トーン)を指定し、一発で完璧を狙わず対話で直す。この3つを押さえるだけで、返ってくる答えの質がかなり変わる。
「順を追って考えて(step by step)」は今も付けた方がいい?
今の推論モデル(考えてから答えるタイプ)では基本的に不要。内部で勝手に段階的に考えるので、付けても精度はほぼ上がらず待ち時間が増えるだけ。それより「ゴールと制約」を伝える方が効く。
ChatGPTとClaudeでプロンプトの書き方は違う?
基本の型(役割・文脈・指示・出力形式・例示)はどちらも共通。細かくはClaudeがXMLタグ、ChatGPTが引用符や見出しで素材を区切る流儀の違いくらい。初心者は気にせず、同じ型で両方に投げて比べればいい。