大学生にプリンターは必要か【2026年8月版】月11面が損益分岐点
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「プリンターは要るのか」で迷ったまま入学から数年たつ人は多い。費用の面では、答えは印刷する量と中身でほぼ決まる。感覚ではなく数字で決められる問題だ(最終的には後述する「深夜に刷れるか」も効いてくる)。
この記事では、コンビニ/大学の印刷/自宅のモノクロレーザー/自宅のインクジェットを、メーカー公式の印刷コストと実売価格から比べる。よくある「本体1万円+インク代」の概算ではなく、何面刷ったら元が取れるのかを計算した。
先に結論を書く。1万円のモノクロレーザーなら521面、4年で割って月11面で元が取れる。
価格は2026年7月に各メーカーの公式ページと楽天市場で確認した内容です。変動するので、購入前に必ず最新価格を確認してください。この記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
先に単位をそろえる
この手の比較は単位がずれると話が合わなくなるので、先に決めておく。
- 面(ページ)=インク・トナーがかかる単位。両面印刷なら紙1枚で2面
- 枚=用紙がかかる単位
コンビニは面あたりで課金され、自宅はトナーは面・用紙は枚でかかる。以下はすべて「面」で統一する。
コンビニには料金が2種類ある
ここを混同している記事が多い。同じコピー機でも、やり方で料金が倍違う。
| やり方 | A4白黒 | A4カラー |
|---|---|---|
| コピー(紙の原稿を置く) | 10円/面 | 50円/面 |
| ネットプリント(PDFを送る) | 20円/面 | 60円/面 |
- コピー料金はセブン‐イレブン公式FAQ(白黒 B5/A4/B4/A3=10円)とファミリーマート公式(同10円)で確認
- ネットプリント料金はセブン‐イレブンのネットプリント料金表(A4白黒20円)で確認
大学生が刷るものはたいていPDF(講義スライド、過去問、提出用の課題)なので、実際に効くのはネットプリントの20円のほうだ。友達のノートを紙でコピーするなら10円で済む。
⚠️ 両面はそれぞれ課金される。料金表に「両面の場合は、おもて面、うら面それぞれに料金がかかります」と明記されている。両面20ページの資料は、紙10枚でも400円だ。
4つの選択肢を1面あたりで並べる
| 選択肢 | 初期費用 | 1面あたり | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| コンビニ(コピー) | 0円 | 10円 | 紙の原稿を年に数回 |
| コンビニ(ネットプリント) | 0円 | 20円 | PDFを月10面以下 |
| 大学の印刷 | 0円 | 大学による(下に計算式) | 無料枠がある人 |
| 自宅モノクロレーザー | 約1万円 | 約0.8円→約4.8円 | PDFを月11面以上 |
| 自宅インクジェット(エコタンク) | 約4.3万円 | 約1.3円 | カラーを大量に刷る |
自宅レーザーの「0.8円→4.8円」には理由がある。
本体にスタータートナー(約700ページ)とドラムユニットが同梱されている(ブラザーの公式スペックに記載)。つまり最初の約700面は本体価格に含まれていて、追加でかかるのは用紙代だけだ。使い切ったあとはトナーとドラムの費用が乗って、1面あたり約4.0円になる。
- ドラムユニット=トナーの粉を紙に写すための交換部品。トナーより長持ちする(別々に交換できる)
- 交換後のコスト:トナーのみ3.3円/面、ドラムを含めると4.0円/面(ブラザー公式値。ただし2024年1月時点の消耗品価格で算出されたもの)
- 用紙代:A4コピー用紙500枚が340〜448円(楽天市場・2026年7月)なので約0.8円/枚
この記事の本題:損益分岐点を計算する
初期費用 ÷(コンビニの単価 − 自宅の単価)で、何面刷ればコンビニより安くなるかが出る。
PDFを刷る場合(ネットプリント20円と比較)
同梱トナーの700面以内で決着がつくので、自宅側は用紙代0.8円だけで計算できる。
| 機種 | 本体(実売) | 分岐点 | 4年で割ると |
|---|---|---|---|
| ブラザー HL-L2400D(USB) | 9,990円 | 521面 | 月11面 |
| ブラザー HL-L2460DW(無線LAN) | 12,987円 | 677面 | 月15面 |
| エプソン EW-M634T(エコタンク) | 43,450円 | 2,324面 | 月49面 |
月11面は、講義スライドを数コマぶん刷る程度の量だ。
⚠️ エコタンク機は学生には回収しづらい。1面0.5円という数字は魅力的だが、本体が4万円台なので2,324面=月49面必要になる。なおエコタンクとは、カートリッジではなく本体のタンクにインクを補充する方式のこと。同梱インクボトルの印刷可能枚数は公式スペックに記載が見当たらなかったので、上の数字は同梱分を数えない保守的な計算にしてある。実際はこれより早く回収できる。
紙の原稿をコピーする場合(10円と比較)
コンビニ側が半額になるので、話が変わる。同梱トナーを使い切ったあとの4.8円/面まで含めて計算すると、HL-L2400Dの分岐点は**1,383面(月29面)**まで伸びる。
刷るものがPDFか紙かで、必要な枚数が2.7倍違う。ここを分けずに「◯枚で元が取れる」と書いている記事は、前提を確認したほうがいい。
両面で刷るなら
コンビニは両面でも面ごとに課金されるが、自宅は紙1枚に2面刷れる(HL-L2400D・L2460DWとも自動両面印刷=紙を裏返さず自動で両面に刷る機能に対応)。
HL-L2400Dの場合、紙255枚=510面で回収できる。20ページのレジュメなら26回刷れば届く計算だ。
この計算の前提
数字を出した以上、条件も書いておく。
- 入学時に買って4年間で均等に刷る前提。3年生で買うなら残り期間で割り直す
- 電気代・故障・清掃・処分費・設置場所は含めていない
- 本体価格は2026年7月の楽天実売。価格が動けば分岐点も動く
- トナー・ドラムの単価は公式値だが、2024年1月時点の消耗品価格で算出されたもの
大学の印刷は「自分の条件で計算する」
大学の印刷は条件が大学ごとにまったく違うので、代表的な単価を出せない。代わりに、自分で確認して当てはめてほしい。
分岐点 = 本体価格 ÷(大学の1面あたり − 自宅の1面あたり)
たとえば大学が1面5円なら、HL-L2400D(9,990円)は 9,990 ÷ (5 − 0.8) = 2,379面。無料枠があるならその範囲では計算するまでもなく大学が勝つ。
確認するのは次の5点だ。
- 無料枚数があるか(年間◯枚まで無料、という形が多い)
- 超過後は1面いくらか
- 利用できる時間と場所(夜間・休日に開いているか)
- 自分のノートPCやスマホから出せるか(学内ネットワーク限定のことがある)
- 両面・カラーが使えるか
無料枠が十分にあるなら、それがいちばん安い。ただし、締切前夜に開いていないなら、それは「使えない」のと同じだ。自宅プリンターの価値は単価より、深夜に刷れることにある。ここは金額では割り切れない部分なので、上の計算とは分けて考えてほしい。
レーザーとインクジェット、学生はどちらか
白黒の文書を刷るのが主目的なら、モノクロレーザーが有力だ。単価以外に理由が2つある。
- 液体インクの乾燥によるノズル目詰まりが起きない。インクジェットは液体インクをノズルから吹き付ける方式なので、長く使わないと詰まることがある。レーザーは粉のトナーを熱で定着させるので、この失敗がない。月に数回しか刷らないという学生の使い方と相性がいい
- トナーは熱で定着させるため、インクジェットより水濡れでにじみにくい
インクジェットが要るのは、カラー写真を印刷する場合だ。ポスター発表や写真プリントが日常的にあるなら検討する価値がある。ただしその用途でも、コンビニのカラー(コピー50円・ネットプリント60円)やネット注文の写真プリントと比べてからでいい。
⚠️ この記事は白黒文書の印刷コストだけを見ている。スキャン・コピー機能が要るなら複合機を、カラーが要るならインクジェットを、別途比べてほしい。
買うなら:この2機種から選ぶ
👍 良い点
- 楽天で9,990円(2026年7月に確認)
- 自動両面印刷に対応(紙の枚数が最大で約半分になる)
- スタータートナー(公称約700ページ)とドラムユニットが同梱
- 交換後もドラム込みで1面約4.0円(公式値・2024年1月時点の消耗品価格で算出)
- トナーとドラムを別々に交換できるので使い切りやすい
👎 気になる点
- USB接続のみ。スマホから直接は刷れない
- モノクロ専用。カラーは出せない
- スキャン・コピー機能はない(複合機ではない)
- 公式のランニングコストは2024年1月時点の価格が根拠で、現在の消耗品価格とは異なる可能性がある
- レーザー機なのでインクジェットより本体が大きく重い
パソコンから刷るだけならこれで足りる。PDFをネットプリントで刷るのと比べた分岐点が521面=月11面と、今回の中でいちばん回収が早い。自動両面印刷に対応しているので、両面前提なら紙255枚で元が取れる。
こんな人に:パソコンから刷れれば十分・とにかく安く始めたい
👍 良い点
- 無線LAN対応でスマホから直接刷れる
- 自動両面印刷に対応
- スタータートナー(公称約700ページ)とドラムユニットが同梱
- 置き場所をパソコンの近くに限定されない
- 消耗品はHL-L2400Dと共通
👎 気になる点
- HL-L2400Dより約3,000円高く、分岐点が677面に伸びる
- モノクロ専用。スキャン・コピー機能もない
- 無線の初期設定が必要
- 公式のランニングコストは2024年1月時点の価格が根拠
- 本体サイズはHL-L2400Dとほぼ同じで小さくはない
スマホから刷りたいならこちら。スライドのPDFをスマホで受け取ってそのまま出せる。差額3,000円ぶん分岐点は677面(月15面)に伸びるので、4年で677面以上刷るなら試算上はネットプリントより安くなる。
こんな人に:スマホから刷りたい・置き場所を選びたい
よくある失敗
- コンビニの料金を1種類だと思っていた。コピー10円とネットプリント20円は別料金で、分岐点が521面と1,383面で2.7倍違う。自分が刷るのがPDFか紙かを先に決める。
- 両面の課金を勘違いした。両面は表裏それぞれ課金なので、両面20ページの資料は紙10枚でも400円。何度も刷るなら本体代に近づく。
- 本体の安さだけで選んだ。本体価格だけでなくトナー・ドラム・インクの交換費も総額に影響する。今回レーザーを勧めているのも、本体1万円+同梱700面という組み合わせが学生の枚数に合うからだ。
- エコタンク機を「1面0.5円だから」で買った。単価は安いが、本体4万円台を回収するのに2,324面かかる。刷る量が先で、機種は後だ。
- 大学の無料枠を確認しないまま買った。枠が十分にあるなら、それがいちばん安い。ただし夜間や休日に使えるかまで含めて確認する。
- インクジェットを買って放置した。使わない期間が長いとノズルが詰まり、いざという時に刷れない。
まとめ
プリンターが必要かは、月に何面・何を刷るかで決まる。
- PDFを月11面以上(講義スライド数コマぶん)→ 1万円のモノクロレーザーが安い
- PDFが月10面以下 → ネットプリントで足りる。本体を買う意味がない
- 月11〜14面くらい → 金額差はごくわずか。深夜に刷れるかどうかで決めていい
- 紙の原稿のコピーが中心 → 分岐点が1,383面まで伸びるので、コンビニのほうが長く有利
- 大学に無料枠がある → まずそれを使う。ただし夜間・休日に使えるかを確認する
- カラー写真を大量に刷る → そのときだけエコタンク機を検討する
そして単価とは別に、締切前夜に刷れることにお金を払う価値があるかを考えてほしい。そこに価値を感じるなら、1万円は安い。
印刷したレジュメを机まわりでどう扱うかは、デスク環境の記事にまとめている。
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大学生にプリンターは必要ですか?
印刷する量と、その中身で決まります。1万円のモノクロレーザー(ブラザー HL-L2400D)の場合、PDFをコンビニのネットプリント(20円/面)で刷るのと比べた分岐点は521面。4年で割ると月11面です。一方、紙の原稿をコピー(10円/面)するだけなら1,383面=月29面まで伸びます。刷るのがPDFか紙かで、答えが変わります。
コンビニ印刷は1枚いくらですか?
同じ機械でも料金が2種類あります。原稿を置いてコピーする場合はA4白黒10円(セブン‐イレブン公式FAQ、ファミリーマート公式とも同額)。スマホやPCからPDFを送るネットプリントはA4白黒20円です。さらに両面は「おもて面・うら面それぞれに料金がかかる」と公式に明記されているので、両面20ページの資料は紙10枚でも400円になります。
学生が買うならレーザーとインクジェットのどちらですか?
白黒の文書を刷るのが目的ならモノクロレーザーが有力です。インクジェットのエコタンク機は1面0.5円と安いものの本体が43,450円(エプソン直販)で、分岐点が2,324面=月49面まで伸びます。1万円のレーザーなら521面で足りるので、カラー写真を刷らないなら回収がずっと早くなります。
本体に最初からトナーは入っていますか?
ブラザー HL-L2400D / HL-L2460DW には、公式スペックに「スタータートナーカートリッジ(約700ページ)、ドラムユニット」が同梱と記載されています。つまり約700面までは本体価格に含まれていて、追加でかかるのは用紙代だけです。この記事の分岐点はこの同梱分を織り込んで計算しています。